ともだちのような絶望ひとつだけ連れてくよ さぁ手を振って、ほら
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雷鳴に導かれ降る大粒の恵み染み込む街にもり
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いつだって あなたは正しい それ故に 歪んだわたしを 見ようとしない
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灼熱のアスファルト這う虫のごと自転車こいで礼拝に行く
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晩年という音響は頂けず最終章の頁繰ページくる指
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人伝に流れ見るよりこの耳で 聞いた言葉をお守りにする
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吾に抱かれ手を伸ばしたる幼子は 過ぎる電車をつかまんばかりに
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うす闇が本当の夜になるまでに 今日のダメさを溶かしてしまおう
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クレームの対応中に店長の顔へと急に差してくる西日
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友達と言い切る君に ちらつく大クレーター残してみたい
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防犯の カメラに映る もののけは エゾリスの腹 手足ひろげて
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一歳の小さき手には魔法あり 触れたる大人皆なる笑顔に
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100円ワインと辛味チキン 終わらぬ英訳増えるデカンタ
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「テッテレ〜どこでもドア〜」の身軽さで おいで香港 冒険しよう
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夕暮れに虫の音聞こえた様な気が 多分空耳滅茶苦茶暑いし
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きみの目は蛇口を強く引き締める私の想い窮屈なまま
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米不足アントワネットはこう言うかオートミールを食べればいいよと
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借り物の地球儀を眺める距離でわたしはわたしを剪定する
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“燃える”とか“煮える”の漢字見るだけで じわり汗かく宿題監視中
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コンクリで埋まるかつての川の跡少年蹴り出す舟車輪付き
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新聞が長年の謎解き明かす今日は世界が明るいようだ
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週末の天気予報の快晴も捨てて故郷の雲を見に行く
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取りこぼすことのないよう目を皿にしても手も目も二つしかない
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新しいサンダル下ろし闊歩する 息苦しほどの暑さ踏みつけ
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死にたい 貴方に会うたび強く思う でも死なない 死んでやらない
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人はみな中身は弱く殻があり殻の違いと そう言ってほしい
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トンボ好き 「ってって」と せがむ妻 元気だった日 夏の思い出
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八月の涼を求めてショッピングモールにショール纏うきみいて
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盆踊り打ち上げ会に反省会間集りまつりは続く入り舞のごと
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不器用ぶきようで つづけることの 成果せいかより つづけたことの 自信じしん成果せいか
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