夜がふけるまで朝がくるまで点いたまま豆電球 ベッドの明星
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みおくって そのたびごとに あまくなり だせいでくらす このごろのわたし
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一晩中 家の窓から飛び出して 衛星ほしに触れゆく 妄想をする
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アーケード 屋根の上から見渡した  あなたの部屋の窓は何処いずこ
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平安も 避難くらしも さむかろう ひろいゆかどこ とぼしい暖房
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大人でも 知らないことは 知らないと 大人になった 自分で気付く
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割れかけた爪から短くなってゆく 溺れて見えた渚は遠い
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僕の手を綺麗と言った君の声 瞳 表情 全て欲しいよ
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友達と呼べなくなったのは君がそうしたいって言ったからだよ
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くずくずと荒れた心をディス曲とボースティングで鉋がけてく
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これくらい、まあいいでしょうの定規の目 ずれているから削りとってる
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モヤモヤともやる心に切り込んだカードという名の神託のメス
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美しい歌やことばをいつまでも愛していたいだけだったのに
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雨だからたぶん涙はバレてないハンカチだけじゃ拭いきれぬ夜
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乳液を乾燥防止につける冬 ねこがときどきおひざをにおう
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しんしんと雪は降りつつ世の中の音を消し去り別世界へと
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夢うつつ遠く瞬くあの光いつか砕けた欠片だろうか
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全生徒部活に加入推進部vs元祖こたつで眠る部
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ニュースばかり ながめている 外界のへんかでしか うごかないわたし
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若者が立ち読みをする姿さえ絶えてひさしいふるさとの町
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天命を待つ者と待たぬ者の差でアンサンブルはなりたっている
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深夜2時誰にも言わずにコンビニに行ったっていいわたしの人生
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愛しい人をいもと呼ぶならロードオブザリングの指輪も妹なのだろうか
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張り詰めた 糸が一本切れたとき 身体はボロボロ 心は散り散り
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息の歌ライブハウスを包み込みそばに感じる春の訪れ
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最期までなんてきれいな意志だろう涙の代わりに流す鮮血
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魂の歌声響く箱の中心震えて涙流れる
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強風で吹き飛ばされるのぼり旗「ヤバイ」とはしゃぐバイトの男女
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頻尿を抑えるために控えてた冷たい水をグッと飲み干す
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手をつなぐようにケーキの紙箱の持ち手にかけた指先冷える
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