悲しみをリンゴとともにすりおろしレタスに和える春は青空
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雪椿 可憐な花弁の 落ちる様  新成人の 項垂れる様
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熱帯夜 ウインクをする 月を見て 蝙蝠は飛び 猫は戦慄く
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路地裏に光が射してこの夏は「ぼく」という名の冒険がある
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僕たちがペンラでつくる海もあることをあなたが知る初ライブ
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もう全て どうにでもなれ 午前四時 ここで絶えたら楽になれますか
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夜一人 バレないように泣いていた 可愛い私 今救うから
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宇宙から 見た私達は細胞で きっと理由なく生きているわ
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思春期の春に何を思おうが 私の勝手だそれが思春期
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生きようとしてしまうよな どうしても どんなにひどく絶望しても
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『遅くなる』娘からのメール CMの間父は意味なく玄関に立つ
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遅番の娘の帰り リクエストの煮込みハンバーグ温めながら
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『美味いか?』父が聞くと 『イマイチね』娘が答える 土曜ゆうべのカレー
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草花は風に揺れてるだけそれで君も傷つけほんの少しでも
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好きな人のためならギャルにも清楚にも 女の子は怪人二十面相
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生白い二の腕、首 半袖のシャツが映えるね 君は永遠の夏
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いくつものアカウント抜けたその先に 本当の君がいるはずだけど
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見覚えのある人影が駆けていく 午後の昼過ぎ、隣の市役所
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君といるこの街も悪くなかったよ ただちょっとだけ明るすぎたの
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北向きの窓から入ってくる青い光で洗う染付の皿
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全宇宙しょって生きてる全身に彫りを刻んだアマゾンの子
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生意気に指したゆびごと握られたブルーグレーの夜明けの街で
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さみしさは猫のせいだわこの世界わたしとお前だけね(ニャーニャー)
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ブランコがまだ揺れている 前世では君と夜更けの散歩をしたね
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ここじゃない改札を出てここじゃない場所に立ってた、気がした五月・
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山手線座席は全部埋まってます人の数ほど人生があり
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雨静か朝の光の微かなる僕の人生思うともなく
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職場なら出来れば避けたい印鑑も 記念に貰う駅の窓口
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玉の緒を絶えねば絶えねと言う人の賢さを知るチラ裏短歌
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弱毒化 コロナも今や 普通の子 他のみんなと 楽しくやれや
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