学生の街は本屋も騒がしく さえずりのように聴いてみる午後
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あけぼのの中にかがやく赤ランプ 電話越しに聴く相手の寝息
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青春に恋の字はなく十歳の君の面影がまだ残る夜
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DAISOで僕の苗字のシャチハタが売り切れている 誰が買ったの
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雪解けの 汚い水に 流されるまま 排水溝に 墜ちていきたい
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軒先で 震える小さな冷凍庫 溶けると終わる世界のことなど
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起き抜けに窓から入る風は青夏になってる想像以上
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テレビ見て笑いあってた空間に嫌でも残るシミはさすがだ
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君と出逢い共に燃え続けた三年間炎を分かちまだ燃えている
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歪みのない人間ばかり見ていると世界が歪んでくるのでよくない
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#春から女子大呟けば P活の誘い我を侮辱す
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金持ちが 幸せそうに 見えるけど 我は貧乏 呑気な暮らし
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ツイッター 大統領は 防げても 5兆円出す マスクに負ける
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ジャベリンも ワクチンさえも 一儲け 資本主義とは 悍ましきもの
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他人様の 家を壊して 正義とは 人を殺して 何が政策
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好奇心 首を突っ込み 大やけど それでも懲りぬ 人間の性
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人生に 不公平とは 当たり前 千差万別 森羅万象
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金もなく 女にもてぬ 老人は 部屋に籠りて よからぬことを
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他人様の 庭先に咲く 草花に カメラを向ける 少しの勇気
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人間の 業に比べて 春の園 息を呑むほど 美しきかな
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カメラでは 収めきれない 人間の 心模様を 言葉で映す
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あきらかに翻りける葛の葉の、白妙にふく 丘の朝風
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走る影。一等長く、伸びる朝。猫バスみたい ワンマン電車
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艶やかな、つつじが落ちて、やってきた。ガタンゴトンは今朝も朱あけ
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潮引きぬ。朱き肌えの岩原に、海のスコアを、辿り歩けば……
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4月に取り残されたように降る 少年時代の春雪の跡に 突如訃報が届きぬ 
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カッターで腕に刻んだ五線譜を紅く滲んだ音符が滑る
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小数点以下の感情四捨五入なんてできずに黙りこむしか・
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いくたびも買い直している手帳こそ迷える人生への寓意である
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ひと回り小さい奥さんのとは違う 僕の指は君と同じサイズ
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