必要な嘘は透明であるべきビニール傘は空が見えてて
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一緒だとそんな顔して笑うから180度横からは秋
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ブラックを一口含み語尾に「じゃん」なんか違ったいつもの俺と
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入店時 手指消毒をする人もせぬ人もいて秋刀魚は旨し
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下の子が取りやすい場所確保して すでに兄より高いと気づく
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落ち葉拾い 疲れあきはて 子供たち もみじを掲げ 親に自慢し
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九月ながつきに 咲く早菊の 白露は 残る暑さに 流す汗かな
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望月の 明日に吹く風 涼しさに 夜月に乗りて 秋は来にけり
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お誘いを断る理由思いつつ鍋の卵は半熟となり
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枝豆を夏の名残りと固茹でて青い景色を口に広げる
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ヒトという奇跡の存在生むために 必要だった千億光年
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呑みたいな女の話で苦笑い 惚れて振られた昔のことさ
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第一印象は四番目でした 口が裂けても言えぬ絶対
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なんとなく打ち明け話ファミレスで 別居をしてる旦那がいるって
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快晴の観覧車の下待ち合わせ 回ることなくあなたは帰る
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雑踏で愛しい人を見送った ドラマのような歌が聴こえる
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一目惚れ フリマで自作売る君に声掛けたくて爆買いをする
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目的地辿り着けずに畑から中途半端に見下ろす夜景
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こっぴどく振られた人と行った店 三年行けず青春の味
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ボンゴやコンガ。リズムは宇宙を飲み込んだ Black、それはBeautifulだね
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その昔芥川なる人がいてくしゃみをすると「杜子春っ」という
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いつだって疑うこれは夢なのか手傷の数が僕の暦だ
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電線を野暮ったいなと見つめてる 夢見ごこちか平城の夏
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もったりと指で停止をうながすとピタリと黙るラジオカセット
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みんなから煙たがられてた先生の優しい顔する俺の泣き言  
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優しさで戦えるのか僕のまま君の心に青い一撃
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今はただ夢を見ないで眠りたいひかるいのちをあなたに見せたい
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永遠につながっていく並木道君をひっかく子猫に会おう
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怒りを求めよピーターパン夢の国から自殺者が出る
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富士の麓をぶっ飛ばす白い月只今浜松通過中
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