銀の匙切子の洋盃コップかき回すリリリと鳴れば夏の気配が
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家の中から爽やかな香りがして、私は夏が来たのだと実感する。
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永遠の碧 永遠の命を惜しくわば、 世の金々の 欠けたるものとは
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南国の 雰囲気かもす 美しき ノウゼンカズラ 毒を持つとは
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カシオペアみたいな湿疹 わずらはし ビタミンBで様子を見むとす
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謎肉も すてがたいけど エビが好き シーフードにもエビ入れて欲し(カップヌードル)
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友人がコロコロ仕事を変えるから、僕もついつい転職しちゃうよ
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メッセージ 回数減りて さようならさえ送れずに 過ぎゆく今日
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夕暮れの涼しき夏至の雨上がりそよぐ風にも空気洗われ
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我行かぬ父の法事日記入せし暦に汚れ付いている梅雨
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道端に落ちてた蝉の抜け殻を 母に見せると 君拾い上げ
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唐突に放り出されて今やっと梯子は外れていたと気づいた
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呆然とスマホをいじってなんとなく救いを待っていたら終わってた
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クーラーを誰に合わすか同僚が揉めた結末決めたジャンケン
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天使かな私の元へ舞い降りた白い翼のよく似たあなた
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夢見たわお花畑で走る日を三途の川を越えてきたのか
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稲穂刈るこどもなつかし水を張り今年も青田そらに向かいて
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ありがとうあのコミックの映像化 うれしすぎます解釈一致
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食べ物のブームが案外長い吾子 亡き我が祖父の面影ちらり
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泥遊び楽しかったと物語る 娘のTシャツ今夜も予洗い
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何食わぬ顔で社会に馴染んでるお前らみんな異常に見える
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有線のサビがCM浮かび出し三歩戻ってカルピスかごへ
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濡れそぼつ飛雨ひう迸りまぼろしの滂沱ぼうだのキミを端然と受く
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「夕ご飯どこかで食べて帰りましょう」上手く言えるか復習をする
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名も知らぬ小鳥ちいちい鳴く昼はキーボードなぞ叩いてられるか
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いつまでも行方知れずのあなただけ追いかけたいの命尽きても
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君と見た橋の向こうの並木道 溢れる桜花 ただ憧れた
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遠い春 君と並んで眺めてた桜並木が伐採された
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ウグイスは気付けば鳴き方マスターし その間吾は進歩無きまま
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雨の朝昼長き日に天の露涼しき夏至の恵みの朝(あした)
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