今日の日を塗り替えていく微笑みも君にとってはいつもの笑みだ
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使って良かったもののうち 教えたいものも教えたくないものも
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買ったばかりのものがセールに それって見る目あるよね、ある意味
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きいんと冷えた月光の下に 丸くなる君の体温だけがあった
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彫刻みたいな君の背中の凹みで足湯をしたい冬
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不安をね 一つ、一つ、と 積み上げて ハシゴをかけて 星を盗むの
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幸福は現実/期待であり、分子を固定するなら、つまり
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カーテンを引けば見えなくなるものがあるという目の前の現実
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君のこと想って独り泣くために 優しい歌を一首ください
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ロールケーキ「いちご大きい方、あげる」そういう母の気性を継いでる
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しは大変だね だって死も詩も幸も傘の持ち手にひっかかってる
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漏れ出した愛の形は数あれど未だ渡せずしまい込む日々
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秋の末 寒いはずだと取り出した 湯たんぽ君は未だ空っぽ
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何も無いその幸せを悟る時与える愛が勝つのであろう
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中二病患う僕の青春は痛み伴う発言の日々
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猫さんに使ってもらう湯たんぽを三つつくって炬燵に入れる
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青白い頬にそっと手を添えては君の温もり感じるために
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君のつく 優しい嘘の 行先は お月様だけ 知っているでしょう
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汚いとどれだけ肌を嘆こうと太陽は黒を愛している
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羽織たる母の遺した鮫小紋断捨離ならず再び納む
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マイナスにプラスをかけてもマイナスだ不快と愉快で不愉快になる
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ママチャリが落としたネギを拾い上げ「落ちましたよ~」と走ったあの日
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炊きあがる新嘗祭の朝の飯納豆・佃煮・漬け物・イクラ
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散る羽毛破れたダウン後光差す 飛び降りるきみ天使のように
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モニターが微光を放つ、山際の(ごみ箱)と(遺書.txt)
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彼は誰時 わたしがあなたになれずとも 遥か遠くの 空港にて待つ
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風呂浸かり将来考え一時間 のぼせた脳みそ「なるようになる」
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クリボーくらいの強さです 人間界では最強です
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天体をかすめて落ちる衛星の望郷にみな焼かれてしまえ
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食材が 山と積まれた八百屋にて ふたつ以上の季節の香り   
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