闇を裂く線香花火の槍の花しゃがんだ子らの願いが煌めく
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徹夜して ヤニに烟った舌の上 いちごミルクは 余りに甘い
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ふるさとの暑き日差しに影法師追うべく走る過去思い出す
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盆の帰省ここが故郷と知らせるは景色にあらず聞こえる方言
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禁断のショートカットにしてみたの でっかい顔が宇宙にリンク
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帰省の日ふるさと慕う我ゆえに買う駅弁は地元名産
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ふるさとも暑さ変わらず山隔つ都会と田舎空繋がって
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ともだちの父親が撮るポラロイド 浮き出る写真写ってない俺
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手折られたオリエンタルユリのごとし を伏せる君、美しきかな
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同窓の結婚ラッシュに焦っても就労ビザでは手に入らない
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マルイットオーバーなんて呪文みたいなリップを買った見たいでしょ/キスプルーフだって
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「生命の危機を感じる外気温」という書き出しにも飽きてきた
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いつまでも痛い右足 成長痛のせいにして甘えていたい
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リアルジャングルクルーズで子は見張る 「見えたぷかぷかは全部ワニね」
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アスファルト ガタガタ鳴らすツアーバス 眠る花嫁 口開けたまま
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バナナの木 錆びた電柱 蔦まみれ 置きっぱなしの鉄道工事
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むせ返る熱気の中に ひとかけの冷静さあり 帰りゆく夏
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ビロードの幕に火花よ転がりて 崩れ落つが如き夜空かな
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ぼんふち立てば深井戸底の無いふしあわせってこう言うものか
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カヌレとか ひさびさ食したくなりて 買ひ求めたり 50グラムを(ごめんね、ミニパン屋のお姉さんw)
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水面へと盆提灯が落とす涙 流ることなくゆらりゆらりと
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こだわりの強い子達は集まりて折り合いつけて過ごす四時間
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降る雨の接頭語である「あいにく」を外して撫でるカフェの存在
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虹が立つ そこに在るのにそこに無い 思い出せない思い出みたいに
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ガス料金WEB確認ポイントを貯めた分だけ寄付をしてみた
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Flügelつばさてふに脚長く腰高く地震なゐなき地にて成れるなりかな
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おもむろに干からびていく 夕暮れに立つ向日葵のうなだれた首
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風呂上がり 慌てあらため パンツ脱ぐ 前日比プラスの体重計
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「金は腐るほどあるぜ俺の贅沢は治らねえ」 言ってみたいぜ!
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「俺は法律を破るぜ義理も恩も屁とも思わねえ」 嗚呼清志郎かっこE
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