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建売の家はやばやと売れたるか洗濯物のベランダに見え
7
電話より少し震へる音聞こゆガンになりしと友人の声
7
庭で蚊に刺された キンカンを塗っても塗らなくても治りは同じ
5
朝早く散歩に出ても夏の暑さ 左右から蟬の声がうるさい
3
二階に来てはダメと言ってある犬が寂しいのか時々ドアの前にいる
9
嘆
(
なげ
)
いても 過去に戻れる わけもない むち打つ身体に 今日も謝る
6
冷や汗で 目覚めみれば まだ深夜 耳中の蝉は 今日もパワフル
6
心臓が 揺らぐまいと 踏ん張れど 脈は正直 トットットトト
6
風呂上がりすっぽんぽんで右左
扇風機の風
(
せんぷう
)
を受く夏の快感
11
日常を非日常へと変えていく 君の笑顔はスペースシャトル
4
一寸もない虫にある魂はいかほなどと小蝿潰しつ
11
新宿の鳩は丸々太ってる 空飛ぶことを忘れたみたい
8
あれよりもサイレン鳴らす要のある熱中症警戒アラート
10
夢抱き明日を信じて立つ姿 終わりを知らぬ青い春の日
3
反応の有無は問わない伝えたい あなたのファンがここにいるよと
4
いつからか 道行く誰かに 恋求む 愛されるなら 満たされるなら
3
晴れた夜 夜風になびく 黒髪は 月光に照り
白絹
(
しろきぬ
)
のよう
3
珍しく 眠れぬ今日を 振り返り 朝日を求め 知らぬ間に眠る
4
河川敷で花火をぼーっと見つめる夜 涼風がふわりと背中を駆ける
4
夜十時 花火帰りのバスは満員 興奮・思い出 みんなで運ぶ
5
恋を
愛
(
め
)
で 失った日々
懐
(
おも
)
い出は 炭酸混じりの ほろ苦い桃味
2
サヨウナラ たった5文字の 言葉には 語り尽くせない 想いがこもる
4
バンバンと空に光るは芸術品 記録・記憶にみんながいそしむ
6
寝苦しい 夏の夜の 携帯 目覚めた同時 発光体になる
4
赤ちゃんは目覚めた時に何観るのわたしも明日は赤ちゃんになる
3
風呂上がり 淹れっぱなしのカモミール 旦那がこっそり濃くしているよ
3
紺青の月明かりの空星はない虫の声だけ果てしなく響く
4
池の側に在るベンチただ一人佇む黄金の缶相方は今頃鉛の缶詰の中で揺れている
1
縦殴りの日差しからの横殴りの雨嗚呼夏の風物詩空は
曙
(
あけぼの
)
色
3
それはまだこの世にコロナもスマホも無いあの人もまだ人間だった
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