春用のズボンをはいたら寒すぎてくしゃみがでてとまらない夏じゃなかったの!?
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くすりり 伊吹いぶきの山のさしも草 さしも玲瓏もゆら夕影ゆふかげの燃ゆ
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公園で 近くのともだち 呼び止めて 「まだ遊びたい」 ゆうやけこやけ
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朝ぼやけ だいだい色と あい色の 斜陽しゃようかかげる ひつじと雲海うんかい
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明日出かける準備で今日からファッションショー ねこのおめめが ニャンだ?と真ん丸
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この本が一番好きなの地獄でも 読みたいからさ ひつぎに入れてね
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普段なら行かない売り場に顔を出し カップ麺を買う楽しみがひとつ
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パウチとか出す用 百均ねこスプーン 意外と丈夫で優れモノなり
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その昔 子どものために行ったとこ 思いがけなく だいじな思い出
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五月晴れティーショット終え見下ろせばグリーン彼方に大阪の街
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空をみて両手ひろげて道ゆけば 壁にはってるAs-meのポスター
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レコードの こぼれるノイズ セピア色 褪せたジージャン ロックな余韻
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我が母の 命日近し 母前に 思い出多き しばし語らう
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春山に 残雪在りし 花は咲き 緑は深き 風爽やか成り
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砂浜に打ち寄せられるモノたちはかつて誰かの物だったもの
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好投なので援護点さあ夏になれオジサンはまだ早い古希なら
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細い指3年ものの指輪が光る小さな幸せを「さち」と呼ぼう
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デゴイチは黒煙を上げ二年ぶり待ちわびた春歓声が湧く
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屋上でバーベキューなどする者どもよ。天に雲なく光や強し。
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とびっきり熱気を放つ五月晴れカープのようにみな勝ちまくれ
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落胆の雨は猛攻止められず沈黙だからあゝ罪深い
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友達以上 恋人以上の君だけど みんなの言う好き 何よその好き
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寝正月ならぬ皐月の寝休日 せめて役所の書類など書き
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子二人と〝小〟の字作って眠ること きっと数年限りの幸せ
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明日からやり方変えてまた違う人生送ってみるのも楽しみ
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「好き」の種 手に入れたから慎重に水を与えて咲かせてみたい
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おろかさをこれも若さとゆるされてもう齡だねとまたもゆるさる
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はじける子らの笑い声 空に泳ぐ鯉まで届けよ 
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御嶽山 越えし列車に揺さぶられ 思い出さえも 揺らぐ昼方
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透明な体を蝶が通り抜け、春はゆく 何も始まらずとも
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