公園でアイドル真似て踊る少女等 弾ける笑みに吹く若葉風
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友くれしコゴミとタラの芽は胡麻あへと天ぷらにてそれぞれ味はふ
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綺麗になったねって、今更そんな  おトーフ おネギ おナス ほらね、
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今日はやけに バスの速度がゆっくりで 心が先に君へ届きそう
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愛が嘘だったら怖い 爪を切る  本当だったらもっと怖いね
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月が綺麗ですね じゃなくて、アイボリー  お米炊くからお風呂洗って
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そのへんの言葉じゃサイズが合わなくて 裸の気持ちがくしゃみをひとつ
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解答のない夜が連なった向こう側で 何にもない今日を称え合おう
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寝る前に昼間流したあの言葉ふと思い出す 遅効性毒
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俺の、もう一人の俺がいつだって今すぐ寝ろと俺に言ってる
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母の着替え前より上手くできたよに 毎日やれば何かつかむね/介護
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河川敷友と積み上げ競い合う石は崩れど意思は崩れず
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浮気しても言わないでと冗談混じりに笑う僕約束守る清楚なあなた
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帰り道いつも君を送っていたから今日から近道影一つ
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花火見て目を輝かせる君を見ている
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青春を卒業したら人生になる古希なんかなるなとビール
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部屋に1人唐突になるスマホにビクリ「カラオケ行こうよ」「仕方ないなぁ」
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初恋に再会をする明日は晴れかなとひとりで乾杯してる
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けば 仕事恋愛 大人たち てんとうむしを 探しにいこう
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Jポップ旅行ドライブマールボロ私の今はあの頃の君
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旅歩きふと流れてくるあの頃の歌どこへ行っても変わることなく
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余韻を纏いどろんこのまま机に向かい筆を走らせまた更けてゆく
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雨降って残念だったと吐く僕に明日が楽しみと笑う君
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演歌歌手だった北海道で泣く女をやめる指輪売りたい
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愛してくれる人いませんか古希ひとり花冷えビール二本で泣いて
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もし僕に見えない翼があるのならまだ君を好きだって言えるかな
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「円安ねぇ」呟く初夏の居間の母 物知り顔でキリリとした犬
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桜咲くトンネル作る並木道 知らない記憶作る風景
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暗くした部屋でスマホの照明がゆっくり時間を掴んでくれる
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くるまった布団の外のさらに外 現実だよと鳴く朝鴉あさがらす
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