催花雨さいかうがアジサイの葉を揺らすので手にとってみる古今和歌集
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卯の花の雪踏み分けて入りし人の噂聞かせよ山郭公やまほととぎす
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生姜すり新たまねぎと肉厚のもどり鰹と あとは合う酒
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車窓から朝霧のなかヤマボウシ 通院見守る白しろ 傘さして
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バニラのリップはマダガスカルの匂い運んで私を鼓舞する
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ひさかたの月は昇らぬ夕暮の木の下闇を照らす卯の花
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指先で 黒縁写真 そっと撫で 「留守を頼む」と 仕事へ向かう
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地に堕ちて土に染ったハナミズキ それは儚く見るも無惨で
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湧き上がる希死念慮に蓋をして 揺られる電車 外は夏めく
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思い出す 花もないほど 必死の恋 夢であえても ただ砂の色
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春キャベツひと玉千円トンカツ屋 白菜混ぜて千切りキャベツ
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クレパスで優しくなぞった青だから今日の空なら翔べる気がして
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父子いて 水切り石で遊びおり 息子すぐ飽き 父少年になり
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たまにはさ視える世界が零れ出る涙でぼやけたっていいよね
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始発は混んでるとおもいきや、座れました、電車禅で色即是空🙏
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今週末は忙しい、お茶会🍵に全身マーサージ、癒しばかりに没頭か
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久々ファンキーフライデー出勤、良い天気で26℃超えそうな日
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昇る陽を 背にし若草山は明け 今日も始まる 古都の初夏はつなつ
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パーゴラの木香薔薇の甘き香に誘われ来しか紋白蝶ら
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パチンコ屋のチの字が消えてパンコ屋に これでも充分面白いのに
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「朝早い?」 「四限だよ」って 嘘をつく あなたと食べたい 深夜ラーメン
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尾をゆすり夢路数えよ眠鱶ねむりぶかくらやみ漕ぎてひかりを憎む
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さびしくはないと言うなら嘘になるけれども私ピノキオになる
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渦を巻くミルクの泡に映り込む夜に気圧けおされ動けずにいる
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浅い夏冷たい月の静かな夜あなたの声が深い根を張る
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大好きな作品を見て詠みたくなる ペンを取ったら出てこなくなる
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「死ぬまでは ずっと一緒」と 決めてきた うまく役目を 果たせただろうか
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学校休んで毛糸編む金曜午後 手には歪なくさり編み
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他国へと 旅立つ君とは 多分もう 会えないだけど 「またいつか会おう」
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横見たら あなたがいるただ それだけで 幸せ感じた 秋のあの日々
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