我が友よ 連絡取れず 生活は ケアマネ頼り 我は祈らん
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明日からは 補聴器付けて 生活の どんな世界が 広がるのかな
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年のこと 言わないと決め 挑戦を 始めし我は 気持ち昂まる
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せっかちな煙草の香りが漂えば墓参の提灯支度をす
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猛暑にて 汗が滝のようで右眼腫れ 医者も盆休み 開く頃治るかな
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帰省して できた傷跡 見返して 故郷との つながり 実感す
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クッキーの カスをつけては 得意げに 語るあなたの 横顔を笑む
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伝えたい想いばかりで 今日もまた 送れないLINE たまる下書き
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もう陸は遠い 人魚の私には奪うことしかできない ごめん
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またひとつ亡父あなたの歳に近づいて墓洗う手に汗のしたた
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心臓を刺されたくらいじゃ死なないし振られたくらいじゃ死にたくないし
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天と地をつなぐ山なりマウナ・ケア 夜空のきみはどの星ですか
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「来てるのか」 位牌を拭いて 問いかける 揺れる迎え火 よく知る匂い
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あと一つ伝えたいことあるけれど多分花火が遮るね 好き
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リビングでねこがおもちゃでサッカーを パスだシュートだ ミニゴール作ろか
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流れ来て暑熱倦怠打ち払う桃の香清し甘き清涼
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孫二人 肺炎になり 我が家にて 映画観てから 眠りにつくか
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新宿のカニのタテバイ・ヨコバイを「ホームの端は歩くな」と言ふ
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夏季休暇 仕事のメールは鳴り止まず みんな休めよ 仕事が溜まる
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産まれゐたうらなき姿態に口付けを 闇と柔らぐ山ふたつとや
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さらさらと  ショート動画  ザッピング 欲しいものは この中になく・・・
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俯いて神の啓示を聞きゐたり 始発の扉の前の人々
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同窓会 地元組では合コンブーム 上京組は 焦りが足りぬ
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汗垂らし初盆参りの住職は裾はためかせ原付疾走
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夏祭り おさない恋の跡たどる ノスタルジアのふり向く夜に
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バブリーなOL時代思い出す 四半世紀ぶりジンライムに酔う
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院内は盆休みなど目もくれず やまいは時を止めてくれない
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精霊馬の背のなだらかさ 死を生をそんなに悪く思わないでね
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台風のいきのねとめる方法をあなたとふたりかんがえてみる
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荒れ庭が我が心なら雑草を抜いて悩みを根絶やしにする
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