悪くない風が吹いてる小春日は会えない人に会いに出かける
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父去りて 明けに訪ねし 礼拝で 父の冥福 願う晩秋に
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会話中時折混ざる関西弁きみが暮らした土地の残り香
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太陽も勘づく僕の恋心夜の間に馳せた想いも
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朝寝坊 しっかり寝ても するはずの ことができずに スッキリしない
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猫好きの だんせい男性にきいた あんけーと にくくう肉球さんは 3位だったよ(好きなパーツ、1位は、おめめ)
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雨降ってきたと知り得て ベランダに干したるワンピを 焦って回収
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くたびれて相撲見ようと座れども我が親方はさすが重たい
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小党首 素直に連立組んでれば 生き恥さらさずすんでたかもね
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もう今夜ゆっくりしたい夕飯は魚を焼けと母相撲みて
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孤独でも悲しいことも起きなくて幸せなのに雨はさみしい
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霜月も半ばを過ぎたこの頃にアイスカフェオレ飲むとは思わじ
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あと六分焼き上がり待つ夕前は雨と一緒に泣きたくもなる
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雨垂れとカラスの声が重なって淋しくなった三時半前
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クリスマスイルミネーション点灯式長閑な午後に半袖姿で
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マシュマロて何十年ぶり食べたっけ ダージリン味 紅茶によく合ひ
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生きるために生きている日々とりあえず、とりあえずでごまかしている日々
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うどん屋に入ってすぐに行ったのはセルフサービスでおでん選び
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ドライブで道を間違え着いたのは川が流れる工場前
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小党首 罠に嵌った小動物 メディアは煽る嫉妬とサディズム
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小党首 甘く見てたな伏魔殿 老獪な罠嵌って真っ青
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私ばかり浮かれている 君の心臓は朝も夕も凪いでいる
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手術室冷たいベッド帰れるか怖くて震えでも仕方なく
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幼き日 母を見上げる瞳だけ  今でもさがす 我に戸惑う
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切り替えが 下手なままでは生きられず  外はあんなに晴れた日なのに
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物忘れの病を受けし妹を義姉あねは励まし果ては叱りき
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親でさえ 理解できぬまま君かばい 疲れ果てたる日々に涙す
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昨日見た夢の話をしていると夢より素敵な今に気づいた
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道端で拾った愛の言葉でも大切にするあなたが好きだ
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朝ぼらけ 四十九谷しじゅうくたにに満つる霧 鹿よ導け 天命の道
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