うるわしや きらりと光る はくはつ白髪の 君に見蕩れて 段差につまずく
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80パーセントにコードを刺す夜の過剰な生活気味の我々
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薄氷が割れるみたいに この指が瞳が示す先はただ、青
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あの日から二十四日目「故障ばかりです」キミの返信届きぬ
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ボリュームを上げていこうぜ蝦夷桜。野生味少し俺にわけてよ
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つぶやきが皮膚の下まで裂いてくるこんな場面は何度もあった
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おいの 5年と私、 親の5年は 違うスピード 
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正直に手を挙げなさい あまふりの脈を感じるフェチな野郎は
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思いやり そんな物など持ってない 害する前に 消えよ目の前
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白い眼が 血走りながら哭いている 悪鬼おにになろうが 空みて吠える
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「さようなら」 聞きたくなくて ただ叫ぶ 夢なら覚めてよ 今すぐ覚めてよ
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雨降る夜 窓打ち鳴らす 水奏者すいそうしゃ 耳傾けた 刹那のメロディ
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釣果なく山菜下げて帰る夫ビールの量はやはり変わらず
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折り鶴がカサリと落ちる音ひとつ引き戸の指を引き留める朝
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私らしく この年齢としになるとそれだけで 年相応とかピンとこなくて
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じわじわと染みるざくろの酸っぱさは 我が身を巡る 涙も忘れ
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スプーンの上でゼリーは回転し今夜の夢を甘く彩る
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学校に 行ったら受ける 懲役刑 行かなかったら 待つ指示命令
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キミに葉を 突き立てるなら 先ず俺を 刺すから別に 安心してね
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あの日から 不健全な 快楽に 溺れるあなたと 踊れぬ私
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届かない。 何もえない なまごろし 何処まで引くの 地獄の彼方?
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お空からいちばんはじめに落ちてくる雨 虹の端 空の境目
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幻日のうえを飛ぶ蝙蝠傘とミシンが出会う夜に乾杯
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歌詠みの記録か日記か芸術か 判ずるべきは己に非ず
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誰だって誰かを失い生きていく 色んな後悔心に綴じて
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世の中の 役に立ちたい理由じゃない 君の支えに なりたかっただけ
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ガビついた無線に返すきみ見たら無性に名前を呼びたくなった
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青空に透かしたパンの空き袋 コーヒー片手の君に寄る肩
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「手伝って!」カードに増えてく春色のシールを指にニンマリの友
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残業が 増えよが誰も推さないし ひとり唄うよ 「Progress」ジャン!
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