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すぐ飽きる打ち上げ花火 初めから線香花火だけをやる夏
6
雨の後いっせいに泣き出すセミは それが当然だったかのよう
5
マンションの最上階の部屋の窓どんな時間も私が映る
3
本当の自分を映す 八咫鏡
(
やたかがみ
)
風呂場で今日も 酷にたたずむ
2
お盆過ぎ涼風の吹く夕暮れは幻になる北国の夏
10
誉れある名誉戴く彼の者は 人馬一体深めし絆
2
ただいまと帰ればおかえりのキスする 猫の鼻はいつも濡れてる
10
保育料値上げを受けて会議をしパピコを割って
金打
(
きんちょう
)
とする
3
カップラのわかめがどうも足りなくて わかめスープでマシマシにする
4
囲い込み襲っては食う極悪非道物の怪の園
7
運命を狂わせるほどの熱情を恋と呼ぶならこれが初恋
7
ねこの頭 撫でるとシルクの手触りで ねこもうれしい 母も嬉しい
6
後になり先になりして漕ぐペダル魚付林まで老いの休日
8
怪獣かワニの姿でパワー秘め苦いゴーヤがカッコ良すぎる
14
怨みこそ 転ずるすべは 無かりしか 燃やせ煩悩 知慧の火灯せ
2
杖をつき 買い物してる おじいちゃん マイバッグのミッフィ従えて
14
公園の階段 一気に昇りきり 平気なふりして 息整える
10
ハワイ貯金 8月さいごの一枚を 貯金箱入れずに募金箱探そか
6
お皿の上 りんごと梨が共演だ やはり旬なので梨に一票
8
一日の
布巾
(
ふきん
)
干す手に明るくて少し大きなもう秋の月
14
半世紀 祈り続けて 勝利あり 手元に残る 二十三冊
2
怨みこそ 人を動かす 力あり 世界動乱 そこに見えるか
1
汚染水 今こそ対話 チャンスかと 災い転じて 福となさんか
1
「ひとりで行く」 祖母との約束 背負いつつ 黄色い帽子は 歩道をわたる
20
淡色で 描く川舟 白壁に 水彩の秋 熱帯夜に飾る
3
竝
(
なら
)
びたる
山の端
(
は
)
映
(
は
)
えす
日輪
(
にちりん
)
の
溢
(
はふ
)
れし影の
田面
(
たのも
)
湛
(
たた
)
ふる
2
あの人も隣の人も私もまた 虚無を引連れくらしを紡ぐ
6
今日もまた通勤電車に揺れながら 音に踊って、文字で遊んで
4
世の中の何パーセントが君のこと気づいているのか数えてみようか
4
じゃあまたね、さよならなんて言わないで。 永遠なんて嘘で騙して
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