天高く浮かぶ望月虫の声おみそ汁にはきのこを入れよう
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たくさん話したね たくさん笑ったね さよなら二度と 会えない人よ
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このあつさ たいふうのかず いじょうきしょう これから標準 予算をじゅんび /不要不急のイベント中止
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夏晦日 その夜に上がる 朧満月ブルームーン 照りて残暑の 収まりを願う
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神秘的 ブルームーンのパワー信じ 月光浴びて 「富」を願う
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密やかに結晶はのび不可算のきらめく針をはらむ晶洞
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例えれば水の戯れより水の反映の方が好きな子が良い
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合コンの直前カップヌードルの蓋が破れて行くのをやめる
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寝転んで見上げる君の顎裏にほくろがみっつ夏の三角
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腕を組み白杖を持ち歩む道 決して小さくないしあわせが
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ミンミンが リンリンになる 黄昏に プシュっという音 付け加えたり
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をつくり ぬかにあてつつ沐浴もくよくす 貴賤老幼きせんらうえう 恆河がんがいなまず
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音漏れを片耳外し聴いている 隣の人はどんな趣味かな
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さらばさらば友よふたたびあらずともはないちもんめのいちめんの闇
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おきざりの夏蝶ばかりわれをおき帷子色の屍ひしめかせたり
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夏帽よさらばひとりが立ちあがるうすくれないの片隅のなか
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うまくいかざるもの 不具の恋 レスラーの羽固め 水菖蒲
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八年間住んでた頃も 実家へのバス待つ時も ESTAエスタ好きでした
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集団的自衛権の発露とし不登校児にいちりんの菊
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処暑風に なびいて君の ショートボブ 後ろ姿に 恋くすぐられ
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十五夜はお月見団子も捨てがたい スーパームーンのお供に月餅?
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仰天にそはゐまさずさばいづくにぞ一過性脳虚血しらじらと
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されかうべ置かれある書机に扁桃花つかのまを花やぎてにくしみ
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席を替え 君は右側 左利き ぶつかる肘に 何も言えずに
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寺町をこゆれば墓場曼珠沙華ほのほのごとくしたたりやまず
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超写実的に熔融せる缶のキャンベルスープ罐の天使絵
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「キューピーは天使になれない 高速道路こうそくに微温みたいにひろがる空は」
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さよならと 泣いたあなたを 見送って 流せなかった 涙の供養
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ざくざくの オニオン・レリッシュ 言い訳に  ジャンクなホットドック頬張る
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片恋は 夏の終わりに 置いてこう 心軽やか 明日は晴れか
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