熱いうち鉄を打っても冷やさなきゃ使えないまま終わってしまうよ
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蟻を潰した 沢山潰した その日の昼に 祖父の 死の知らせを受ける
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恋愛が昔ばなしになったとき美談に出来る別れにしたい
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別れには鈍感ぐらいが楽でいい見せないものは見ないに限る
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さみしいと枯れてしまう花だから「愛してる」とか言ってほしいの
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すぐそこに水無月の待つこの日頃気もち沈めてリラ冷え続く
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それはもう、世界の色が変わるほど晴々とした善いウソでした
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二つまでしか同時に考えられないと僕がこぼす君の目が笑う
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もがいても足掻いてもなお逃げられぬ光の裏の影へ沈んで
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私のこころを貫いたのは貴方でしょう?刺したのなら抜かないで
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サラピンのシルクのパジャマ抱き心地良くなったことキミは知らない
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うっすらと透けて見えたる人間味 貴方の中に宿った命
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天球にはりつけにされ星々は昼夜も四季も凍てついたまま
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0と1だけの電子の世界では「i」の言葉も2進数となる
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磯の風 遠くで死んだ 生きものの 臭みをのせて 初夏の千代田区
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ころころと色を変えゆく君も今は静か 空も 夜は眠るのかしら
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バスタイム今日の疲れをOFFにする Utakataのぞき湯船に揺れる
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忘れずに甘いだけでは済まないの油断させその時はトドメを
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眺めれば全ての場面が宝物 写真の整理は今日も進まず
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新たなる 趣味を見つけて ハマりだし 短歌を創作つくり スマホにしまう 
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変わらないね すっかり変わった君は言う 小さくなった カントリーマアム
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形見分け ほころび気づく その夜に 「直し屋」のチラシ 祖父のお告げか
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口論の 最中さなかでふたり 見つめあう アディショナルタイムはいらないよ
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ゲーム機の スイッチ入れるの腰重い なんとか押したい やる気スイッチ
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ルランララ はずむ足取り 古書店に まさかの閉店 ラランラル 
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うつくしいものが好きだ うつくしいで溢れている世界も好きだ 己が 異物のように思えて
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わさわさとイタリアンパセリに似たようなマイクロいちごを新居に移す
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苺って種で育てた事が無い蒔いて葉が出て縁起いいかな
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百均で選んで欲しいと投げかける誘惑の中決めかねている
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結った髪おろして ゆっくり献杯だ 長女猫あのこのお名前「けいにゃん」と呼ぶ
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