ほんとうは孤独のなかにただひとつ北極星のようにかがやく
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戻ったら 2時から会議 立ち止まり 視野の蝶追う昼休み
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スーパーの自動ドアを開けたなら新緑の匂い吹き込んでくる
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いつからが朝でどこからが友達か自信の持てない今日の僕たちは
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酸性もアルカリ性も問いません 紫陽花だけど白いから
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急に悲しくなって涙が落ちて雨粒ならば空にも昇る
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食欲の失せて静かな昼休み午後の紅茶を午後に飲みます
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おひさまと風に当てたる フカフカのまくら 楽しみにまっていてね
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チビ猫は今日もうろうろ「ぱとろーる」 猫用まくらを その隙に干す
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すこしだけ夢の余韻に浸りたい 君との逢瀬 若きあの日の
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仏壇にあんぱん類をお供えし 故人が好きだし 私も食べる
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人間になれなかった残骸が 宇宙にあまた あるんだろうな
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立法は 日本を組み立つ 設計図 知らぬ存ぜぬは 許されぬこと
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人間にまで進化した立場から 宇宙について さあ語ろうよ
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吾が友の踏みつけられている人の自由訴う筆頼もしき
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何事も優先順位次第だが順位を変えること多くなり
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「なんかさあどんだけなんだよ変じゃない?」「実力の差」と紙面のたま
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いて 掃除のあとに ひと休み 気持ち入れ替え 風も入れ替え
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隠元の 根だけごっそり 喰ってった 見えない敵と 闘うアマは… / 素人菜園
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朝歩きゆうべの夫の暴言を反芻しながら歩数踏む吾
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帰るたび 増えるシャッター アーケード いつかの君と伸びる影
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お互いに雑な扱い許す友 縁は切れぬよ私が切らん
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いつのまに 故郷とこの都会まち逆転す 過ごした月日 どちらも色濃く
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失敗は歌に詠んだら忘れそう とても素敵な手段見つけた
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筆記具を気の済むままに並べ置くこの領域がわたしの住処
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ぽつぽつと我慢の限界零れ落ち儘たっぷりと笑う大雨
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光射す晴れる心を翻弄し総じて笑え梅雨の神様
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ざわついた教室包むじっとりとどこか湿った不安な空気
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厳粛な態度をすべて求めおり立つその床と壁の汚さ
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いにしえと今とをつなぐ三十一みそひとのコエカタマリン飛んでけ、未来
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