歩いたよ!ラインが届く祖父祖母ジジババに よーし、決まった今度のみやげ
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気遣いの できる人ねと はめ込まれ 違うのほんとは 臆病なだけ
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退屈な無声映画のスクリーン 惰性のままに時は流れる
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鳥が鳴く海のベンチで沈みゆく夕陽の道をあなたと見たね
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使う予定なくなり捨てたパッケージ コンタクトレンズのそれに似ている
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げんげつ幻月や 闇を照らして 明けの石 紫陽花咲けば 青に染まりし
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夏の昼 道路に貼り付く照り返し 空へと伸びるセンターライン
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笑ったりたまにするので楽しくもあるのだろうと恍惚の
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梅雨が来ぬ ふと考える 通勤路 落ちゆく汗は 夏模様なり
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年金を 語る役員 安定と 今の我らにゃ 何も響かず
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暑いから豚の冷しゃぶが夕食です 誰かかわりに茹でてくれない?
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airpodsえあぼっず流れてくるはサントラでしばしヒロイン気取りの私
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檸檬味の清涼菓子と水筒は夏の散歩の必需品也
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小さめの丸いおにぎり目に当てて 目玉だよなんて娘が笑う
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唐突にくるくる回るおねえちゃん 真似するおとうと月曜の朝
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残骸の花びらの上に肥料撒く薔薇のシュートを待ちわびながら
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数だけでカウントされる死の日々に生の意味問う0.99
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梔子くちなしの香りふわりと日傘かさの中 梅雨未だ入らずも夏模様の街
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字余りを避けんがために言い換えの言葉探すもまだ見つからず
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ランニング 続けるために 今日だけは 一日坊主いちにちぼうず なってはならぬ
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アルコール呑めばいつもの倍話すこの人のこともっと知りたし
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鳥が鳴く遠い日に聴いたその声のその鳥の名を知らずとも知る声
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若い頃ずいぶん真面目だったのに今やそんなの風に飛んでけ
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らしさって人に決められたくないね 自分の好きを信じて生きたい
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草叢にやっと見つけた幸運はきっとあなたの努力見ていた
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ほんとうは孤独のなかにただひとつ北極星のようにかがやく
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戻ったら 2時から会議 立ち止まり 視野の蝶追う昼休み
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スーパーの自動ドアを開けたなら新緑の匂い吹き込んでくる
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いつからが朝でどこからが友達か自信の持てない今日の僕たちは
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酸性もアルカリ性も問いません 紫陽花だけど白いから
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