オレンジの 光に照らされ 笑ってる あなたの頬の産毛が光った
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名月の光で 「月の輝く夜に」という 映画を思い出す
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思わない 生きたいなんて ただ推しのこれからずっと見守っていたい
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前を向き歩く人波私だけ うしろを向いて時間ときさかのぼ
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ゆらめいた 波間に映る 月の顔 示すひとすじ 彼方むこうへの道
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七年後 絶対言うわ 中秋の 名月同時に 満月だって
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仕事終え はあ疲れたと独り言 月は黙って帰路に付き添う
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薄雲を透かしてすらも煌煌と降る月雫十五夜を浴み
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夕焼けを見ましたか 月を見ましたか 今夜はゆっくり寝れそうですか
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人として欠けててもプラン甘くても ハンズがあるからなんとかなるし
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半身を別人にしてお互いがお互いだけの唯一ゆいつの味方
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韓ドラのいよいよ佳境の妻なればひとり水割る中秋の月
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二車線の左がやけに埋まりだしこの道行きは右折だと知る
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名月を 愛の言葉に 変えられて ピュアに愛でるを シェアできないよ
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てのひらに浮かべた月が死ぬ前に欠片残さず喰ってしまえよ
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体調のすぐれぬ十五夜 せめてもの のんあるゆずっシュ レモンを月に
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月見詰む 背には不気味な雲背負ってしょって「前だけ見てろ」その月は言う
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満月の光が そらに染みわたり  秘めたこころも溢れだすとき
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夕立ちを予測し洗濯物入れる スマホ活用孝行息子
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「この夏は何処かに出かけられました?」「野生の音姫探しに山まで」
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プランB いつもたててた じんせいは プランA逝き Bばかりつづき
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金木犀香ると齢(よわい)一つ増え いつまで通るマイナス十歳
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昼過ぎに 空があくびをするころの 鼻腔くすぐる 傍の草の香
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見上げればすすきの穂越しひつじ雲帽子のつばに赤とんぼ着き
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月を待つほどのあはれも更科や姨捨山の夕闇の空
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白い猫 わたしの腕で 逝きました 涙で溶けぬ 氷のように
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ちょっとだけホント少しだけ横になる 簡単 夜ご飯よるはカルボナーラだし
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初恋が実るドラマを見てしまう 今の私にゃ残酷ざんこく過ぎます
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月餅に手を出したいのを ぐっと堪え おなじくまるい お土産ぴよりん
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朝ドラに大感動し大号泣 鼻かみながら仕事へ向かう
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