むきだしの棘に触れても血は出ないこれは夢ですぜんぶ夢です
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悲しいほど冷たく冴える月のをオレンジの街灯がほのり暖め
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凍てついた優しみたれも放置して黒のドレスの時限装置に
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たわむれに閉じた世界を切り裂いてひかり賜わす白銀の鋏
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リビングの隅に取り残された夏ものぐさな我に首振りもせず
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六年の 歳月長し 終盤の 急登する吾子 静かに祈る
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ぶっ放す弾道弾よ飛んで行け千里の彼方空の果てまで
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死にきれず君を抱えて雨の中世界にふたり君を埋めた
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死に夕ヒが含まれているから夕陽を見て死にたくなるんだろう
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死にたいし 死にたくないし 詩に対し  死にたくなく泣く 泣く泣くないし
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素直さを 子供らしいと 嫌がって 屁理屈こねる 子供心に
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お疲れと 年を重ねた目まわりに アイクリームをたっぷりと塗る
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初日こそ前職経験光るとき配属部署の勢力分析
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すりすりとかじかむ手を温める君 自転車またがり信号待ちで
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なぜ君がなぜ君なんだなぜ君が葡萄畑に月が冴えるよ
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寒空と掘立小屋のバス停と やる気薄れたイルミネーション
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あまりにも知らないことが多すぎるほとけのままで悪くはないが (知らぬが・・・)
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親育てしてくれ感謝息子たち 嫁よ頼むぞバトンを渡す
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子育ても終了子らも独立し 今は仕事が生きがいとなり
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待っちゃうよ 連絡無いと思っても にんげんだもの にんげんだもの
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3日ぶり おやつのキンダーホットワイン ウェルチのもとの味 忘れそうである(笑)(ウェルチグレープにティーバッグ突っ込んでレンチンw横着w)
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いつの間に過ぎたハッピーバースデイ返せ私のケーキと童心
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取り込みが遅れ暗闇で洗濯物取り入れた手がかじかむ師走
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夕暮れが 寂しくなるの 冬の日は 月出るまでと 我励まして
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おとうとは墓に幾とせ海原をわたりとついだ鷗のいもうと
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試験終えあとは休みを待つだけの学生の街ひとけ少なく
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あなたの手、展翅しピンで枠に綴じ真綿で包んでしまいたい
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買ってみた 人生初の シュトーレン 薄く切っても 枚数進み
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舞う少女どうぞ私に微笑みを歌でにわかに沸き立つように
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折々の父の蹉跌さてつを思いつつわがよわいとの比較鑑み
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