花びらが雨に濡れると浮き上がる 傘は未だかと梅雨入りを待つ
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もう一度、今度こそ、これが本番、奇数の花を手折ればいいのに
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なんでかなぁキスうまいやんそれどこで覚えたんかなじっくり聞こか
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物事を理論で語る君からの「何だか好き」は無償で信じる
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ちま猫は おみみのおおきいねこなので ときどき おみみをつままれている
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急ぐ朝 熱いカフェオレもどかしい ねこは猫舌 ねこ母も然り
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忙しいときこそあえてリラックス それがなかなか難しいのね
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異国にて夢と理想を語らつた友はまつすぐ突き進んでく
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四年ぶり同じ皿から取り分けて摘まむひとときさよならコロナ
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ちぎれ雲 晴天の中 ゆらゆらと 我が行く道も 成るに任せて
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ぐんぐんと気温の上がる昼日中ひるひなかしゅるっと細身ほそみ夏雀なつすずめ
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急ぐわけではない普通列車でのんびり出かける
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浮遊する ポプラの綿毛わたげ を受けて 刹那にひかり 存在知らす
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ウサギの目 アデノウィルス はや七日 なにこれあかんめっちゃしんどい
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大昔「伝言板」にあった文字その人のこと見える気がした
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停まるたび遅延謝罪のアナウンス遅れることを世間許さじ
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失望や挫折哀しみ数あれど生きてることが唯一の解
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雨降らば ごうごう落ち来る男滝おだきあり 今は優しき女滝めだきの如し
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遠くある雲の形を楽しみり近づくほどに靄となり消え
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Dreamのドリーム感もよいけれど夢のゆめ感やわらかくよい
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秘密なる言葉の意味を飛び越えて妙に見せたい秘密基地なり
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別れ際むかしの人が夢見てり魔法で会話す深夜の僕ら
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真夜中にちょろちょろ聞こえる水の音町の血管聞いてるみたい
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リハビリの終わりにまたねの声かける 靴にリボンの爺さまにこり
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推し絵師に文ふみしたためるオタクワイこちらは憎き手書き履歴書
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僕たちは、剥がれてしまわないように、自分を抱きしめながら生きてる。
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朝風に溶けし草の香 川の音 ここがふるさと生きて死ぬ場所
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いつの日か神経学的アプローチで精神病の謎あかされむ
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指先もかわいさポイント稼ぎたく深夜にマニキュア はやく乾いて!
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悪しき事 知らず 此の世の児と生れ 後は悪事の 上塗りの末
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