終日ひすがらに 再三再四 われせむる れば諸人もろひと 耀かがよふて見ゆ
4
孤独感 お互い様ね 大丈夫 私は君の歌を詠んでる
8
いつもより真剣な顔気になって息継ぎ忘れ潜るスキューバ
5
クラスター無事に終息ひと安心 みんな元気で戻ってきたよ
3
来世でも願えば会えるまたいつか 先に逝く君 期待して待て
6
改変期日曜0時は間に合うわ そう言ったのは誰だったっけ
2
笑い合うあなたといればまた恋がはじまるような予感かんじて
12
真夜中に苺のショート頬張って今日のヤなことご破算にする
17
何故そこに寝てるのかなあ柿の木の折れ枝塞ぐ駐車スペース
7
唐揚げ用鶏肉入れて煮るカレー試してみなよとても旨いぜ
7
帰宅時の電車の窓にながれてく家の灯りは誰かの人生
27
誰よりも早く終端速度へと至れる崖は地図上にない
4
坂道で出会った人の生態を考え歩く私はくだる
6
端的に事実を言うが、一人旅をしても殺されはしなかった。
4
「世の中は怖い人だらけだから」と擦り寄ってくるあんたが怖い
9
一つずつ 滑舌悪く 伝わらず 苦手意識の ドライブスルー 
5
かぶり物 してる間は 別人さ 誰しもあるよ 変身願望
9
うれしくて万年筆にインク入れ手紙したため投函するよ
7
クロールの息継ぎに似た必死さであなたはいつも煙草を吸うよね
11
一列に テントがずらり 本並ぶ 出会いの広場 古本祭り
12
これこそが 今年ラストのクールバブ そう唱えつつ 何回いくつ入れたか
10
溜まってくトークが主に公式のアカウントばかりで寂しい
5
ここに居て 見知らぬ街の 歌人うたびとの 暮らし趣 思いを馳せる
15
子どもらの 体操服が捨てられず 裾折り上げて 今宵のパジャマ
10
ぼくばかりが遠ざかるなり道はずれいま一輪の花を咥える
6
四季花火打ち上げられて消えて逝く序曲は四部「秋」の章
9
秋の夜に 上着羽織って見る花火 鮮やかにして もの悲しくもあり
14
テーブルにガトーショコラが置いてあるそんな単純じゃないもぐもぐ
8
二人してぢぃと見詰めるこの目と眼  澄んだ眸はキラリとうるむ(折句) 
3
しあわせを願えないから唯一の殺意をあげる 鬼さん、こちら
4