大樹なるくはの中つ 兒等こらぢ そのめど今はちひさし
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中指と人差し指の皮むけり夫のうじを名乗っている
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トリミング白いもふもふさようならつるつるの桃ここに誕生
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「一生」が 軽い言葉と ならぬよう 君と二人で 明日も生きたい
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父の日に くれたLEGOの宇宙船 去年は缶コーヒーだったよね
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風呂上りまたやわらかい君の爪新聞ひろげ今日は父の日
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請われても「君が壊れるほど愛す」そんなこと怖くてできないよ
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百年の魔法がとけて 竹枯れる  ざわめく風よ まぼろしの碧
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僕はただ 自由になりたいだけなんだ 水平線へと裸足で駆けて
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浮き沈み 安定しない感情も サブスクリプション 愛して欲しい
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コンビニエンスストアへ三十六個のクピドの刎首の罐詰の茹豆
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牛乳販売業の青年嗣ひとり開拓地へシャープペンシルの替芯吊る 飼育
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水底に売るほどあった孤独すらあのローソンが引き取っていき
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幸せはしっとり積もり悲しみはざーざーと降り溶かしていくね
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純粋な想いぶつけたJKが尊すぎると純になる僕
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「死体拘置所、死体刑務所、死体死刑室、死の衛生博覧会はこちらへ☞」
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鮎の香の跳ねる水面に夕陽映え釣果に躍る子と父の影 / 亡き父しのぶ
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昨年まで とりあえず電話かけていた 母は施設に 父は黄泉路に
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「僕は自分の死が見たい!僕は迷子になったのかな、御嬢さん、ねえ御嬢さん。」
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気持ちまで人と足並み揃えたらわたしはきっと歩けなくなる
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暑すぎず 高原の風心地よく もったいないほど いいお天気で
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かき氷買ってくれたね 僕たちに 君の手のひら汗ばんでいた
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「かあさん、あなたの落とした真っ赤な櫛が、青い鳥を梳ってはやまないのです。」
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別れたいうんわかったと言う俺を やっぱ変だよキミは呆れる
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首筋を通る風の色が変わった あなたの色が見えなくなった
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夕暮れのこの坂ふたり歩いたね 坂下の店キミの面影
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好きだとかキミにいろいろ言ったけど 愛してるだけは言えなかった
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待ちに待ち新車届くも類似車種認証不正出荷停止に
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久々に親子で餃子包みつつ語らう時間も佳き贈り物 /父の日
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世界中の猫の幸せ祈る人、信用できない。だってこないだ、
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