旧帝の 巨大施設に 足すくむ 私の居場所 ここにはなくて
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ゆっくりと しかし たくさんの 雪がふります 怒りながら ほほ笑むように / 雪女郎
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200km 車窓を眺めるハムサンド どうして買ったの 食べやしないのに
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おいそれと 踏みこまんでね 思い出を 塗り替えるにはまだ役不足
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世の中の多くの人が持つらしい「ふつうの」心身、僕は無いみたい
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困ります 狂おしいほど 大好きで
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騙されてにっこり笑う大人ぶり ロマンス詐欺の鴨にもひとくせ
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ペロペロと舌なめずりで催促をしてくるヤギにエサはやらない
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中央線 都市へと向かう 草も愛も 人のための物 切り揃えられ
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政治家は 子供の願い 聞かずして 親に媚びたり 票田稼ぎ
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豊かさを 求めるあまり 子供から 親と触れ合う 時間を奪う
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心まで 親の代わりは できないよ 子供の悩み 聞いてあげてよ
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母親が 働きやすい 法制度 お金のために 子供は犠牲
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教育は 国家がすると いうけれど 甘くはないよ 教育現場
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もし俺が裁判員なら許しちゃう ポロポロ泣いた若い女を(偏見爺)
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美人なら悪いことなどしないはず ユンさん妻もドンファン妻も(偏見爺)
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保育から 愛情抜けば 工場と なにも変わらぬ 厳正管理
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子供らは 辞めることさえ ままならぬ 親の意向に 逆らえぬまま
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恐ろしき 人ばかりおる 職場から 優しき人は 皆辞めてゆく
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暗がりで 寒い風吹く 駐車場 あなたもやはり 辞めてゆくのか
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寒い朝 66の 大台を 迎えて未だ 悩みは多し
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おし黙り指示されたことも間違える 十二年目の我が家の洗濯機
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まだ暗き朝の静寂しじまに聞こえ来る始発電車が吾を励ます
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病室の窓から見ていた木々の彩 今日は嬉しき夫つま退院日
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冷気ゆえ、目覚めし朝の布団から、 想う故郷、雪が降ってる。よろしく!
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夏の日に木陰に誘いし大樹なるメタセコイア天に燃えたつ
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鬨の声、あげよ!心よ、銃を持て!戦く少年、誰も頼れず、
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早朝に ふと目覚める吾の 足の上 ねこが暖をとる 冬はつとめて
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「憂鬱」を、ひらがなにしてあげてみる。こころは軽くなれないのにね。
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見上げれば 雲一つなき青空に ポツンと浮かぶ 有明の月 
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