いつだって汚し足りない夜の果て 離したくない離れたくない
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罰当たり それは受けるよ カミさんよ 悪い奴らは きっちり倍で /夜露死苦
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すでに持つ神と崇める小説の新版が手に懐旧の情
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ヘタる膝 痛みこらえて 涙出る 痩せなきゃアカン 歩けなくなる
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守れない約束もしよう ずっと生きていてお父さんお母さん
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降りそうな降らなさそうな曖昧さいだき過ごせり梅雨間近の一日ひとひ
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この時をあなたは過ごしあなたという位置をあまたの時が横切る
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聴かせたい人がいるからこの曲に命が宿るよ ありがとう君
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一分で季節が次々変わるよう デート中の僕の心情
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気に留めず 知らないままが いつの間に なんでも興味きょうみ 短歌たんか効果こうか
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中間がなくて限界働くか公休日毎うんうん寝込む
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プテラノドンって君が指差した秋津の空 きっと鳳凰雲だったよ
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せせらぎの川沿いに並ぶ歌碑と句碑ヤマベ泳ぐやふるさとの町
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色染まる氷川の桜といとし君 手のぬくもりにまだ慣れぬ春
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クマさんの 励ましスタンプ ほっこりと やる気回復 迷走再開
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雨降れば 胸キュンソング思い出す 今でも泣ける 雨の物語 /イルカ
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満たされた心で見れば野の花も雨も透明で同じきらめき
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もう少し季節をゆっくり感じたい 雨も暑さも極端すぎるよ
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バニフでーす 言われて出てきたぼくのやつ バニラクリームフラペチーノさ
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「黒ナマコ みたいな形のモノのが出た」 トイレの君から いらない報告
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藤棚を通る南の風を受けはつか残りし花房揺れる
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先生が 私に貸してではなくて 一緒に見せてと言うのが嬉しい
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生ける世の 正義失く為て 生くや人 悪は蔓延る 欲も過ぎれば
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踊る雨の足音を聴く枕元 この夜を梅雨が通り抜けてゆく
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遅れ梅雨アジサイも僕も待ちぼうけ あの水色の相合傘も
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読み終えて参りましたと目も潤む この出会いこそ本読みの本懐
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無機質な気持ち 死体の冷たさがひとすくいしたアイスを冷やす
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グリーンとピンクと青のネオンサイン チョコ味の眩暈アルコール風味
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特別な卵黄だけのオムレツがいちばん脆いの愛とおなじだ
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来客に跡形もなく消え去りし猫の毛溜まりソファの隅に
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