生まれてはじめて感じる重力がこころの重さを教えてくれる
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むばたまの 夜長よながしらむる朝まだき 秋寒あきさむ空のあをはさやけし
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やりきれずやってみたれば効いたのか思ったりするテロリズムかな
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窓辺にて不意に香りし木犀花 帰らざる日へ我を攫いき
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我が夫 雇われ社長になるらしい 零細企業で不安が勝る
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八時までにご飯を食べて 十時からは水しか飲めぬ 健康診断
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ペン立てに並んで収まっているからそのトラウマはもう脅威じゃない
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夜は冷える グラタンでご飯食べたいな えびとチーズの冷凍でいい
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神社寄り 母の手術の礼を述べ 今後ともよろしくお願いします
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したい事楽しむためには金が要り したくない事今日も頑張る
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散らばりし 座学メモらよ つどいたもう 生まれ変わらんおとぎ話
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座布団に 浮かんでいたいと 西日舟 うたた寝の君 「秋刀魚焼けたよ?」
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ジェネリック猫として抱きカシミアの毛布のヤギの尊厳を消す
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諦めず 探して見つけたモンブラン 二人で分ける ひとつの山並み
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落花生 初もの茹でる喜びに ビール出すのはまだちと早い
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折れそうになって大きく息をした 心で何か聞こえた気がした
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お洒落して 誰に会うのと尋ねても 答えてくれない祖母の微笑み
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岬にて 潮風吸って 海になる 繋いだ手だけ温かいんだ
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松林 一人歩いた子供時代 真っ直ぐ行くか 少し迷うか
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葉叢から四方八方手を出しておいでおいでと薄穂笑う
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白い鷺夕陽横切り影一つ顔にぶち当て去る秋日暮れ
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放課後の 黒板消しの色チョーク 風染めながら 空へと帰る
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実体のないやる気だけここにある  それってただの欲望なのでは?
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ユニクロとしまむらの服で小洒落こしゃれして 婦人科にゆく みんな小綺麗
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真実を知ってしまったカネカネ!君の心を手に入れるもの
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白和えを詠んだっけなぁ万智さんはDAIGOの番組見てないかしら
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とほつひと 初鴈はつかりの聞こゆれば 秋の風ふくあけ東雲しののめ
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百首詠み 百個”いいね”を貰うより 僕が欲しいのは 君のひと言
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里帰り 家族の歳月物語る 千歳に集合 千歳で解散
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週末の帰省に向けて 家族LINE 主な議題は気温と衣服
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