晩酌はお湯割り吞むには早すぎてあんまり冷さずビールを飲んでる
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バッカスはたった十粒二百円春先になると安くなるんだ/季節限定チョコ
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むかしからまじないめいたものがすき。ばいきんまんのまぜる薬品。
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もうなにも望まないから愛されるべき人に愛されたいマジで
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手のひらに触れる僅かな凹凸を命と認め取り出す筋子はららご
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言の葉の 時空を超えた 優しさは 八風はっぷうに乗り 伝はりてゆく
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「幸」せも一字取ったら「辛」くなる 貴方が抜けると辛くなるんよ  /そはの様の歌に感化されて 〜或る仲間へ〜
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トレンディドラマのような歌読みて 憧れしかない田舎の主婦は
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真夜中にぱちんぱちんと爪を切る どうかそのまま起きてこないで
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背伸びした 背丈とおなじ 夢見草  ランドセルなきゃ きっと勝ってた
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深爪をしたのは昨日のことだった 今日はおだやかな ちょっぴり夏日
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正面に半月の見ゆ登り坂 アクセル踏めば宇宙そらへ飛べそう
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演歌みたい 雪に足形、ぽつぽつと涙しみこむ東京の恋
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スーパーの閉店時間より早く 主婦の家出はフィナーレ迎えて
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味噌汁は先に野菜を入れておき豆腐を追加良き彩に
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発注完了した振り込みはネット銀行家で送金
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親子ふたり しけたベンチに 腰掛けて 賀茂の川音かわとに のせて語らう
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居場所なきキミを迎えるシェルターが私のうちの深部にあるの
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大衆に隠れ見えないエンジェルがキミに微笑みうなずいている
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運動会撮影したあと上映会 保育園まで見返し終わらない
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衰耄すいもうの迷路のままに身を寄せて秋を探しに出かけましょうか
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にせものの神を殺したその夜にはじめてその手に触れた気がした
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医者が云う「目を安静に」眠れずに時計ばかりを見つめるばかり/9/22
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眠ろうと電気消したら怖くなり求めて起きる小さな灯り/9/22
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悲しみも立ち止まらずに巡りゆく英五の歌が特別沁みる/9/22
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気がつけば三十二首も一日で詠んで過ぎゆく歌に救われ/9/22
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月のもと あなたの顔に頬をよせ 肩越しに見た 東京タワー
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腰痛もニセ通風も吹つ飛んだ三段跳びの網膜剥離/9/22
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落ちている髪の毛だつて見えるから先生これは誤診ですよね?/9/22
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あの日過ぎ   ひすぎ  通った駅にとお    えき   今降りたいまお    見知らぬ街にみし    まち  心躍らすこころおど    
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