気づいたら ふわふわもふもふ 猫の背に うたたねしてた 君猫の毛とる
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肌ピリつく いまいち原因わからずに 涙のあとのヒリヒリにも似て
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その国の大統領はあばら屋の固定資産税を払ってない
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マクドにて月見バーガーは機を逃し グラコロを待つ そっちが本命
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やかましい小さな点の集まりの ひとつだ僕もプラネタリウム
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日は落ちて 冷たい風を ほおに受く 歩幅大きく 秋は行くらし
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マヨコーンピザのコーンが転がってどこかへ消えた金曜の夜
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湯たんぽに 厚手の毛布 ストーブと 段階的に 冬に怯える
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いつ咲いた もう散ったろうか 萩の花 気づかぬままに 秋は深まり
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萩の花 この秋もまた咲いたなら 皇子に会いに行こう 高円の古寺に
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痩せたなら美味しいものを食べようとしてる私を叱って下さい
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出版社送ったことがありますか私あります全滅ですよ
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この剣は抜けないけれどきみだけがぼくの世界を救ってくれる
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カメムシを踏まないように足そらす優しい私に誰か気づいて
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天かすを卵で閉じて温めて 蕎麦屋の角でぐずぐずの恋
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雪虫は名残の暑気を好むらし乱舞の様を飽かず眺むる
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昨日今日どこが違うのタイムライン流れる川は違って同じ
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秋の日の釣瓶落としを見届けて西の会社に明かりが灯る
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友人の大学助教が書いた本 今なら読める?…やっぱりゴメン
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昔観た『オールド・ボーイ』の真似をして薄ら灯りで鍛える素振り
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鮫が出てなんやかんやでやっつける『ジョーズ』ではない映画二時間
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窓の外あんなところに電柱が立ってたんだ、と気付く四日目
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一時間前の記憶もあやふやでやっぱり今日も節穴でした
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振り出づる鈴虫の声弱るなり夜風や寒くなりまさるらむ
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人生は甘くはないか舐めてみるどんな味かは後日報告
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イタズラな天使は寒い朝方に「今日は休みよ」そっとささやく
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でぐちしめ 人口半分 百十万人 どうにげるのか ガザはじき戦場 /福島原発で県内外避難者十六万人
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金木犀の 香りがすれば あの日々に戻る 心のタイムマシンよ
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すっかりと 秋になったね この前の 秋は隣に 君がいたのに
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玄関を入れば猫の待つような 空耳でよい声が聞きたい
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