としふりて あの死この死と みききして あたりはついた 子が無く ちがうか
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返事がね 大丈夫です はい、いいえ どちらの意味か わからな過ぎる
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山道に金木犀の香りありこの谷間にも人の住みけむ
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いつもよりつれない君はもやのなか夜の小路をリズムとあるく
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誕生日 自分で祝い こしらえる 料理のかげに 父母がでてくる
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悲しみはいつか消えると知っている おんなじような過去ばかりだし
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爪先が崩れ落ちない防波堤 色付きネイルじっと見つめる
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湯船から 溢れ出すほど 浸かる風呂 そんなまにまに きみの呼ぶ声
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大袈裟な 緩衝材に包まれて 届く誕プレ あの人らしい
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母さんは(婆ちゃんだけど)あすワクチン「痛くないのよ」洗脳をする
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ダイソンはまだ知らんけどうちの子はどのメーカーかまだ知らんのよ
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かわいいと誰もが言うと思うなよ 大人もむかし子どもだったいまも
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宇宙人だったらいいのにUFOでこんな星からさらって欲しい
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激安で吸引力がハンパないサイクロン式今も現役
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楽しいとあなたが言ってくれるなら 生きている意味あるかも。やった!
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片付けは苦手だけれどフィルターをほじくる事はとても楽しい
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いつまでも待っても待っても福こない 泣き笑いではダメだったみたい
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玉ねぎの不作を聞きしあくる日は直売所へと一走りせん
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小さな花に どれだけ癒されているか… 金木犀もくせいに感謝の秋
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積み上げたブックカバーが知っているどこかに消えたその日のわたし
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片付けを開き直った午前二時いったいどこで寝ればいいんだ
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夏が過ぎ君はもうどこにもいない名前つけたくなるよな夕陽
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函館山 紅葉のように 転勤の 不安も期待に染めてくれ
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換毛期 キャットタワーのてっぺんで カイカイすると ふわふわ毛が舞う
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一杯の桂花陳酒を秋空に旅立つ君よ更に尽くせと
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もうなにをしてもしなくてもいい夜にひとりでラジオ体操第二
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マットレス三つ折りにして座布団に 漢方薬と愚痴を呑み込む
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旅をして友と語らい酒を呑む 老いの理想を知った独房
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爪楊枝暇が生み出す使い道引き戸レールのゴミの掻き出し
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本当に大事なことは決められず時間ばかりが前を向いてる
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