台所まないたの上座っては猫さん見てる水の行方を
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秋晴れの、爽やか日差し感ずるは、猛暑の日々を忘れて深呼吸
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夜のうみ 水切りの石 飛び跳ねて 三世さんぜのゆくへ 闇に消えゆけり
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我々は、助け合うことしなければ、滅亡一途を辿るだけ、どうして優しくなれないのかな
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庭眺め、吹いた突風感じるは、亡き父からの励ます便り
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もうたくさん!悲しいニュースの毎日に、殺戮 破壊、暴力、災害!
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人類は、復讐、報復繰り返す、自分の不幸を誰かのせいにして
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底辺に布団を敷いて寝ていたら 腐った床の穴に落ち込む
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橋姫の待つ夜は更けて網代木に波音むせぶ宇治の川霧
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訪れる ハッチも蝶子も なくなれば 明日こそ仕舞 朝顔のつる
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掌にタコが生まれて海がくる 祖母は魚の貌をしている
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🀇🀈🀉🀎🀏🀐🀒🀓🀜🀠🀠🀡🀅 🀑四筒を切り損ねてはベタオリの検討に入る十三巡目
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短歌ってルールがなくていいんだよね まるで私の人生みたい
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身を燃やし 灰の轍を残し逝く蚊取り線香と人の一生
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天高く馬は見えねどコンバイン終日ひねもすうなり雀ら騒ぐ
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低血糖 バリウム飲めず 無駄となる 私の空腹 返しておくれ
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姉という魔王の手から守り抜くイスパハンは世界の半分
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川沿いの小径に匂ふ金木犀 用は済まねど足止め憩う
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川沿いにしばらく続く金木犀 匂い放ちて己を主張
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そうこうげき おとことみれば てきがだれ くべつができぬ にげりゃその背に。
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じじじじと大きな声を伝えけり小さき虫は何処に在らん
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おかあちゃん、おちっこ、という ねこ頭突き あのね猫トイレ寝室にもあるの(苦笑)
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この距離を嘆かずにただ待っている あなた自ら語る「少し」を
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浴槽のない家に住む人もいる 銭湯で足を伸ばして帰る
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寒い時ジャケットを貸してくれる人 仮に半袖になったとしても
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手に持ったピンクベージュがよく似合う 別れる時まで持っててくれる
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ハンバーグカツレツセット食べ切れず お味噌汁だけ残さずに飲む
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駅前で 大合唱す 椋鳥むくどりけやきは彼らのライブステージ
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君に話す何気ないこと探すため川原の道を遠回りする
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床屋さん とおくのほうに 行ってきた 首筋すっきり 笑いかけるきみ
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