汗ふきの　マフラーかけて夕暮れの散歩に探す　短歌（うた）のタネなど
29
三十万余の医師向けサイトで吾が短歌（うた）に気付くはわづか十名余らし
6
早朝の畑に我を待つキュウリ ト音記号に似て曲がりおり
17
寂しさも悲しみもまた愛しくて 人より我を思ふ午前四時
9
古稀ゆえに再び会えぬかもしれず「今までありがと」心で伝える(友といて)
10
寝られずの宵に窓辺に立つ私。 初めて気付く夜の明るさ。
18
こうしてる間も地球回るなり 戦地の子の夢安らかであれ
9
ただ聞いて欲しいだけの日もあるんだよ 画面の向こうの 貴方にむけて
11
「また明日」 笑って交わせる 幸せを 抱きしめながら 眠りにつくの
15
辛い過去 明るい未来に 繋ぐため 今を手探りで 生きてみようか
15
この傷も いつか愛せる 日が来ると 教えてくれた君を愛すよ
14
薄情なばけものだった　そこにある人間なんて背景か物
4
短歌帖和綴じと勇み和筆執り我は悪筆現実を知る
7
思春期の 中学68年生 卒業試験に苦戦しており
20
去年なら着れていたのに入らない増えた贅肉削ぎ落とす夏
9
過ぎていく世界もぼくも完璧に円かな心地がする日没
10
抱いて寝る　ポケモンセンターで会ったきみ　一生進化しないのもいい
11
クリームとアイスとクッキー塗りつぶす　さいごの一口にキャラメルソース
3
いつからか迷いだしたよこの写真いずれ載せるか 記念なのかと
5
幾月も努力重ねた試験終え君がぐっすり眠れますよう
12
身体には悪いらしいと怯えてたいいよ今日は生きていたい
5
父の日に　片手でおくる　ありがとう　意外と喜び　罪悪感が
12
カスタードクリーム入りのドーナツは二つで明日を手繰るカロリー
16
体から人間ひとり作り出す実は父より偉業成す母
20
田圃からカエルうるさい何処に居るよくもそんなに叫べるものだ
5
「今日ひどい嘘をついたの」マスク下で溢れ紛れよ独り言など
16
こう言うの無駄に器用な私から無駄を取ったら何も無くなる
21
青年の背中で髪を刈りながら父の記憶がほぼ無いと聞く
17
日本地図　空　雨　風もないままで明日も朝陽を窓から浴びる
12
俺帰るラブホはムリと言う俺に　意気地無しとか言わないでくれ
4