ひさかたの 雨埀あまだかや菅根すがのねの ねもころ眺む秋のたもと
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枯れ始む雑草の中 つゆ草の一輪二輪 儚げに咲く
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たまにはと クックパッドをお休みし カンタンお菓子の本など眺める
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秋立てば毛皮を持たぬ動物がやたらタータンチェックを好む
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大根のおろしをぎゅっと水を切る指が赤くひりつくしっぽ
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かわったり うしなったりも せいちょうで おとろえにさえ きづきはあるさ/爺草︵笑︶
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ときを飛ぶくるまとんぼの複眼が秋をくらます真昼の光り
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今一番 我の恐るる更年期 大したことなく過ぎますように
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歳をとり先の見えたる人生よ それでも何があるかわからぬ
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若さとは自由と葛藤あわせ持ち 強さでもあり弱さでもある
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テロメアを たちきるように 水切りを 花にとっても ひとにもさだめ
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若き日の友人達に想いはせ もとに戻らぬ後悔ばかり
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漢方の空袋におうねこがいる マタタビ成分はないはずだよね
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出れないなら 日曜、完全オフの日に オンの日あるの?と言ってくれるな
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夢の中 旧ふるい知り合い 名前だけ 荒唐無稽な夢だけれども
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舐めてよし噛むだら旨し熱々の白子 啜れば汗が鱈々(掛け詞  寒鱈)   
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まだ暗き 朝闇のなか 眠りつつ 夢に泣く人 そっと揺り起こし
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相愛に目立たぬ様に声ひそめ すでに一緒と決めいる逢 引き(折句)  
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さざ波の波の寄せくるみぎわ立ち水平線に君の面影(折句)
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川のせせらぎ鳥の声が鳴り響く駅の公衆トイレの安楽
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ふて腐れてはいけませんいけません自分で自分を叱る日曜
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隣人を愛せない人が詠む歌に願われる世界平和と愛と
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秋の朝 風に揺れるは君の髪 白く、ふわふわ 光と馴染んで
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都にて見れど心は慰まずいかに照るらむ更科の月
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玉鉾たまほこの 里なる山の黃葉もみぢはの いまを盛りと色づきてなむ
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秋山あきやまの したへる里はにぎはふも 紅葉もみぢ比睿ひえしづかなりけり
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丹頰につらふ 紅葉もみぢにしきもりて 深山みやまにあるをたれか知るらむ
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平日のためのアラームが日曜の朝に鳴る 遠くて消しに行けない
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鶉鳴く竹葉山たけのはやまの夕風に涙は露と深草の里
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別れ際、ぶっきらぼうな口吸いはその吸い殻と同じ香がして
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