鳥海の伏流水の湧き いでて梅花藻ばいかもゆれる牛渡川
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カニカマで海老が有ったら欲しいとこ輪切りにしたら小海老になんて
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節約で控えるカニカマちまたでは売れてるなんて逆に笑える
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ひとつとて詩歌なさざる夕にゆびアスパラガスのしらうをそろへ
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修羅の仔も修羅 行列に編む詠草に紛れたる紙魚を潰しぬ拇指おゆび
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建ち並ぶ 家々の奥 空の裾 海が見えると 嬉しいのです
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フイックスの 窓にひと粒の 星影 神無かんな気づかう ジュピターの慈愛
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銀鼠の降り続く日日うなだれる霜くる前の大輪ダリア
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難儀なり心臓病に坂の道息をと整えでで虫歩き
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風鈴の 細きに惹かれ うつらうつら 眠れ昼寝の子 夢に木漏れ日
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タンポポは田圃 のなだりにたんと生え黄花白花ホホホホ と咲く
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バス停のベンチにゴミを残してく上品そうな見た目の婆さん
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破滅的な思いが巡る バスを待つ 顔を顰めてパニーニを食む
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砂ぼこり 舞い上がらせて 園児たち 流行りの曲で 舞いまくる秋
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年下の賢い人に嫉妬して爽やかな秋の土曜の朝だ
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「てのひらに もみじひとひら 舞い降りて」 中学の時、賞取った俳句
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ブランケットで うとうとするねこ包む季節 寒くないかい? お顔はだしとくね
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金木犀香る夜空にモデル立ち 今観た映画のヒロインになる
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頬冷やす風にシャギリの音乗って 明日が待てない106
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新米を 2キロいただき 抱き抱え これより重いくらいと更ける
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君のこと何も知らない透明な君に恋した罰に火あぶり
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ひとめぼれあなたに焦がれ歌に詠む罪ではないかあるいは罰か
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誰のこと 愛しているのと 問われたら、 もちろんあなたと 返せるかしら。
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目覚ましと 明日の自分に頼み込む 是非とも早くに 起きまほしかり
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「青春は 自分たちでは わからない」 そう達観す 君こそ青春
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お料理は材料あっての成せる技おままごとから鍛錬を積む
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栗きんとん美味しかったのお礼にと栗を返されまた皮を剥く
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洗い物 背後に影が忍び寄り すわ、モノノケか!?…わが猫がキョトン
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いつ傷が癒えるのかと聞く許したくない君の目をじっと見つめる
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新潟と札幌間の天気予報テレビ朝日はいつも端折る
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