自立とは依存の先を増やすこと 一人で生きるそれは孤独だ
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親なんてこんなもんだよ大切な 息子が熱出しゃお札が飛んでく
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暑すぎてこんなに寒く思うのか これが平年?もう分からない
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半袖が 戦力外せんりょくがいに 長袖は 半年ぶりの 一軍起用いちぐんきよう
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風邪ひきの息子に差し入れふと思う 息子キミ好物こうぶつ知り尽くしてる
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栗ご飯 ああ栗ご飯 栗ご飯 我が子よ連呼 夕方のスーパー
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美容院 手際は良いが超早口! 聞き取り疲れて焼肉丼寄る
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朝日さす障子の白さ鬱のある人にも目覚めの時訪れる
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この先はきっと苦しい道のりと分かっていても目指したい空
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山々が初冠雪と聞き 秋の歩みはゆっくりであれと願う
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吹く風の冷たさ 薄手のストールと下ろし髪で出勤の朝
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帰り道 夕日が突然 顔を出す 今日も一日中 お疲れ様
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スマホより あれから三年と教えられ 編みかけ帽子 多数熟成
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入学式母ちゃんこの服着てたっけ……思い出浸るナフタレンの
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肌の匂い肌の匂いとできるなら肌そのものに触れたい昼だ
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死にはしない死にはしないが確実に死に近づいてる実感がある
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秋の日のこんなに晴れてる金曜日なんにもせずに微睡にいる
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寒すぎて トムヤムクンのみ ほっとする 本場は熱帯モンスーン気候
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エチオピア 見たこともない故郷の 匂いを嗅いで 少し落ち着く
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ねこたちは それぞれお気に入りの寝床 すやすや眠る おひる楽しみに
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さっき踏んでしまったアリを運ぶアリを踏んで三匹目を待つの
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雲間から 差す太陽のあたたかみ 欲張らぬよう 背にして帰る
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眠らする球根に降る強き雨半年余りの滋養になるや
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あどけない笑顔に沿わぬ高身長 そうかお前ももう十二歳
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窓開けて瞬間匂う雪っぽい湿りと気配山は時雨れて
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3時間「断水お知らせ」洗い桶薬缶やかんにうんと水汲んで置き
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九月じん うから集いて誕生会九十二歳白寿への道
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亡き猫が 残していった白い毛を 見つけて思う 便りがきたと
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敷石の割れ目に生えるタンポポは踏まれふまれて冠毛飛ばす
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無いものに憧れるのが人の性さが 兄とか姉とか欲しかった我
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