「金じゃない!」本気で言葉信じられそれが美徳の時代なりけり/題『三丁目の夕日』を観て
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やまいても 今を生きてる これからも 縮こまらない したいことするよ
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電話から聞こえる声は生真面目で 夫は伝える退院の日を
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ベルサイユ 紳士の優雅な馬術見し 高貴は望めぬ ポニーも吾も
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「人類史の陰に植物史あり」と聞くも地球視座での主役は如何に
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願わくば 白く生まれたかろう カラス達 闇に溶け込み 革命を待つ 
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公園で 私のために 鳴く蝉と 夜明けを待つ夏 尊い刹那
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「聞こえる?」「聞こえる!」それだけが 二人の秘密 それで十分
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空中でクルクル回る自転車と 人のコラボに胸が高鳴る
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目が覚めて みんな寝ている夜のなか ネットに誰かいないかなぁって
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童話おはなしの葡萄酒つくって 飲みたいが さすがに飲みすぎ 明日にしよう
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大木だったものと墓石で眠る猫 あんたもあたしもいつか死ぬから
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別れなら 幾度もしたのに 君だけは 忘れさせぬ バニラのかほ
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夜空から 貴方を照らす そのために 宇宙そらに持ち帰るわ 蛍の群を
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ハイボール 二十年ぶり飲みました ワインソーダも よきものですね
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この生は短き夢と知りてなほ鐘嫋々と鳴り渡りけり
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目を細め 赤か青かを確かめる 遅れを取って渡り始める
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「いいことがあったの。」晩酌するきみは  〝いいこと〟が何か おしえてくれない
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努力して 結果が出ない 残酷ざんこくさ くやし涙に ついもらい泣き
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色恋と 言う名のダンジョン やみくもに  ひのきのぼうを ただ振りまわす
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寂しくて 深夜につけた プレステの コンテニュー画面 貴様も敵か
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のど越しが たまらないのよ 炭酸の ワインソーダと 洒落こんでみた
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二度見する 最高気温 明日もまた 体温超えに ダウン寸前
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夕飯を娘と食べるこの時間きっとこの先思い出になる
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わたしなら きっとできるわ あの月を まっぷたつにして 永遠に夜
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日焼け止め塗る時の手のベタベタか、シャワー浴びるときのヒリヒリか。
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月よりも明るく照らす街灯の照らすベンチに座れない側
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流通にのらない個人の野菜から運命的に会えた青虫
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おとなしく雨粒吸った水たまり跳ね方忘れ温いコンクリ
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6月の祭りのように見過ごされ阿呆も踊らぬ既読の言葉
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