今日もまた帰りの電車でカーセンサー つまらぬ目標つまらぬ人生
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冬の日も 雨降る夏も お別れも 過ぎてしまえば 戻らないから
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ずっと一緒と 笑った君の前髪が 知らぬ間に短くなっていて 嘘ばっかりと つぶやいた冬
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愛してる つぶやいてみても 叫んでも 抱きしめるほうが あったかかったよ
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謝りたくて  すみませんと 言ったけど  なんか伝わる 気がしないよなあ
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笑ってた ひとり下校の中学生ほほえましくて疲れ吹き飛ぶ
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夢を見て重い夜闇やあんを引きずってた 澄み切った空に目覚めをもらう
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初夏の陽と雨を浴び 民家の庭の木の実育ちぬ 枇杷びわ花櫚かりん
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ただいまと 帰りし時に きみじゃれて われの鞄に 頬すり寄せて
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糸電話に話しかけるけど、貴方のコップは置かれたままなんでしょう。
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膝に猫乗っかられては動けずにそれもそうだとしばらく休み
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物言わぬ帰宅を予測してあらゆることを片付けて出る
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『おまじない』漢字変換しないよう砂糖まみれの声でささやく
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凄いねと 褒められてもね さみしくて 宛名違いの 葉書が届く
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無口なる生徒の夢を一つ聴きまたひとつ聴く夏の放課後
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どこまでも跳ねてゆくのか野原にて世界に干渉するうしろあし
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大丈夫うどん一本食べてれば先輩ママが女神に見える
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優しさのマジックミラー 君からは何言われても防御の姿勢
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言えぬ日もはらがへるならもうけもの前に生きんとわたしのいのち
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頑張ると言える強さと言えぬ日とどちらもわたし抱きしめてゆく
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梅雨間近 色鮮やかな 紫陽花に 心ほぐれし 嫋やかな空
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早朝の曇った空に切り取り線みたいなビルの輪郭
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おはなしがありますという部下の目に退職願と知りつ笑顔で
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何もかもやる気がしないそんな日が 誰にでもある君だけじゃない
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梅雨どきの 晴れ間に咲いた 1輪の 紫陽花見つめ 企画書作り
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ねてたねこ のびーんをして ぺろりんちょ おやつのゆめでも みていたかしら
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役者なら「舞台の上で」と言うところショッピング死を希望してます
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恥ずかしいから二百年後に言おうゾンビになって愛していると
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学生の頃になくした恋愛は心の中の遠花火かな
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きみらしい式でよかったまっ白な衣装と花とうつくしいひつぎ
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