神無月木の葉は未だ緑色紅くなるのはもう少し先
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夕方は陽が沈むのが早くなりパソコン画面だけが明るい
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外出ると冷たい風が頬撫でるまだ衣替えしていないのに
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突然の構想外のお知らせが秋と寂しさ感じさせる
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待ちかねた友とのランチ笑い声時折あがり話題は尽きず
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さようなら言ったばかりね秋めいて離れ離れの半袖を出す
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ひとことも言える資格はなくたってあなたの背中を撫でたかった日
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もういやだ 全てを投げ出し海に行き 泡に生まれてゆっくり揺蕩う
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天秤が答えを出すのが怖くなり 必死に嫌いの錘を探す
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籠の中閉じ込めておくことできなくて 自由に翔け私の希望
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「いじめ」とか JKになっても あるんだね かかってきなよ 空NB
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動かない タイムラインを 凝視する 深夜3時は 誰もいないね
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親友は いつでも私を 見透かして 「let it go」瞳を溶かす
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うみださない私が食べた穀物の意味と残した命のゆくえ
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飛距離付きキレキレ打球も見納め それでも人はまた歩き出す /23 青木宣親
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俺だって身を破られて痛いんだ確かに棘は君も刺すけど
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さようなら虚空に向けてさようならかえることなき言葉がひとつ
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できるだけ人畜無害になろうかと抜いても抜いても生えてくる牙
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鈍らせた気持ちはいつか音もなく堰き止められず決壊しゆく
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ひと瓶の苦い思い出飲み干せば再び前を向けるでしょうか
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早起きし「お見送りする」と言っていた 君は寝たまま出張の朝
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なにものであるもあらぬもおしきせの個性はいらぬ 僕はオレゆゑ
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欲望に果てなどないよヒトとして生きてる限りそれがフツーさ/果て
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学歴がないのにやたら法律に強い人ってちとヤバくない?
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「笑点で座布団運ぶ仕事です」ハローワークで見ていた山田/笑
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あらかじめ潰されているプチプチでつつむ希望感傷罪悪
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ひとふたみ いとしきものを うしなって 青はみえない あきの曇天
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愛されぬ 行方も知らぬ かの命は 福井の海に 産まれて落ちぬ
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後輩ともからの引っ越し葉書に綴られた文字の嬉しきあの頃高校のまま
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半袖で金木犀を頬張ってエアコンつけて秋刀魚をころがす
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