微笑んでくれるのならば ”worst”の例文の主語は僕でもいい
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深呼吸するのにこんな緊張を強いられるのか彼のとなりは
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車窓てふ銀幕ながれ、象徴のごとく南天しきり見つくる
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アッというリアクションの子慎んでオーガニックの紅茶を注ぐ
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生き生きと生きているのが生活で そうでなければ死活問題
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落葉もあれば留まる葉も有りて秋の樹木も人の世の様
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寝返りをうつたび目が合うふたり そんなわけない合わせにきてる
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蚊にくわれ 首を傾げつ こよみみる 霜月すゑから数え幾日
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冬晴れの徳山ダムの谷深し吹き上げる風に仔犬踏ん張る
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徳山湖沈む『ふるさと』の映画観て冠山のトンネル抜ける
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老い二人一歩たりとも外に出ずこの冬初の吹雪を過ごす
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疲れたな〜 ヒール脱ぎ捨て ジンジンと 痛くなる足 湯船にプカリ
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対座するキミは私が行く星のつかいと知れて共に微笑す
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スマホなどなかった時代のクリスマスエクスプレスが岡山に着く
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ハリボテと知ったうえでも魅せられた日々は向こうに冴え渡りゆく
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公園でとことこ歩く鳩達に接近すると飛び去っていく
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秋風が枯葉を散らしくるくると落ち葉が踊る賑やかな道
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道端で風に震える冬薔薇そうび 信号待ちつつ寒さ共にす
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久々の山梨県、富士山🗻間近で絶景かな
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指とペンうごかし字を書く作業やめ いかに文明永らえるとや
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手弱女の使う言葉の面白さ 枕草子は今もいきづく
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流行語まいとし初聞く言の葉は その後残らぬその年だけの
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湯豆腐のだしがら昆布を噛みて喰む 腹の掃除の海の幸かな
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意に反し真っ赤に咲いた青い薔薇 猫を殴った学級委員長
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久方の光溢るる春の日に散り行く花は我が身なりけり
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罪深きを重ねつゝうち伏せば 君の背に見ゆる月ぞ冷たき 〈千夏〉
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純白のドレス、もうふれられぬ肌、見おくりませう華燭の夜に
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鈍痛の体を曳いて具材買い作ったとたんに失せる食欲
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はくちょう町雨に打たれて待ちけるは新宿行きのアルピコのバス
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うるはしき 野の花 地の虫 笑う子 あまねく光で満ちよ 我が星
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