足の裏重い身体を踏ん張ってめくれたハート歩めば痛む
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終戦に何か詠もうとするけれどどうか一生足りないままで
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波間には夏の記憶は無くてたださらいきれない過去があるのみ
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濃翠の森 虻耳掠め野天の湯 我が血欲しいか幼蟲のため
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雨による傘と名の付く距離感が好きだったりする 恋に恋して
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夕方に開くプールが大人気生活変わる予言当たりて
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孫居らずほっとするのは最初だけ似た声あれば耳すます我
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戦争の愚かさ伝えるサイレンが未来さきの若人に繋がりますよう /終戦記念日の甲子園
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「なむだぶ」と唱える孫が愛おしき小さなでこに大粒の汗
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コロナ過ぎ会いたい人は激減しだけど君には会いたい会おう
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風物詩ふうぶつし 麦茶にうちわ 蚊取り線香せんこう 令和六年れいわろくねん 変わらないもの
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昨今は黙祷すらも忘れおりひなに教わる終戦記念日
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先人の無念の先に今あるとオリンピアンとふ君は語りぬ
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おとぎ話だと思ってた 赤紙が来るとかお国のためにとか
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夏の空入道雲大勢の雲を蹴散らし威張り顔する
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タトゥーを 入れた若いママ かたわらに 子はジュース飲む 「ママおいしいよ」
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人々はミカドのために嗚咽おえつせり心の叫び隠したままに/「戦争は終わった!」
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熱戦に こんなに心躍るとは まだ熱きもの 持てること知る
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蝉はまだ夏おしみつつ鳴くけれど空にちらほら秋の雲あり
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戦を始めたのは この国の皇 戦勝に 喜び勇んだのも この国の民 /敗戦の日に思う
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段々と はっきりしてくる 残165日 引継しないと 一つ残さないと
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向日葵ひまわりもくしてあおあお静穏せいおんよただ とわにあれかし
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終戦が決まりて今の我等あり静かに祈る今日の記念日
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母からは芋とすいとん焼けた家 祖母は母だった 語らずに逝く /終戦の日に向けて
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墓参り 手を合わせながら 来年は ここに入るのかと 妙な気分
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テクストとタグの溢れた浩瀚こうかんの海に隠れた怪物を喚ぶ
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仏法僧はコノハズク ブッポウソウはエメラルドの鳥 まさか西方浄土へ
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夕焼けに染まる風には鳥の影過ぎゆく日々の記憶を運ぶ
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南相馬の新市民プールで水練 処理水なんぞ野暮は言わぬ
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「草原のオーバル」という詩を生んだ貴方のことをおもう旅先
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