古書店の和泉式部の日記にはうすき書き込み行間にあり
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三両の二十三区の電車乗る 百キロ離れた故郷想う
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誰が置きし鴎外の古びた文庫本 喫茶店さてんの本棚 漫画に埋もれて
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影の中で生きるとはじめから決めていたこの手を引くのは誰だ
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紅磡ホンハムの海辺を見れば荒川の川面かわもと同じ光り方かも
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『行きつけ』という言葉に憧れて 駅裏の喫茶店さてん 今日で三度目
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もういいの 金と親友と 参考書 それだけ持って旅に出るから
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親友の 隣でずっと笑ってたい 社会生活に 戻りたくない
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幸せは 過ぎるとかえって 毒になる いつになっても 学べないや
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掃除ロボ かげで見守るわがさまに わがおやもまた くと思へり
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山父くまに柿は最高のご馳走で 人襲わぬなら分けてやりたし
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(すきだよ)(会いたいな)(さみしいな)(きらい)全て殺して「いつもありがと」
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Gが出て女房激怒し薬撒き 亀歩く床も毒に侵され
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アクシデント多いタイプの吾なれば走馬灯故障し回らないかも
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実をいだき淡いうすべに染まりゆくミズキの葉にもやわらかな秋
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衝動で街に描く星座 歩いて繋ごう私の生活
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採血の一週間前 なんとなく オールフリー糖質オフを そっと手が選び
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片付けを頑なに拒む義姉あねの居は病と共に汚部屋も進む
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夜にとぶ蛾は星の灯に恋すれどあだに身を焼く数をも知らず
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たいそうな文明批評は立派だが、元気なくなる。西部邁よ/「虚無の構造」読了
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いかにもなイケメン野郎マスクして 電車の中でも女子衆媚びて
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さだかにはしるべもなくてまよう日のうつるも知らずうつり気のまま
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フェロモンは襟足あたりから出るそうで なるほど思いくんくんしてみる(酔ってますが何か)
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意のままに 言葉連ねる うたかたに 日々の思いを 収めるように
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今気付く女子は皆さん眉を描く 十人十色のコンセプトあり(俺もやろうか)
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ツルの太さでカワイイが決まるらしい 全部全部似合ってんのにね
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上の句は言葉にならぬ思いです 小箱のうちにしまう思い出
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ただ生きることに必死さ 悔しいがカッコつけてる場合じゃないさ
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雨上がりの代々木公園 さわさわと木々が風に揺れ 残り雨降る
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スーパーの 唐揚げ頬張る 帰り路 私のライフ ゼロになる前に
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