真夏には木陰をくれた くぬぎの葉  お疲れさま と ほうきでなでて
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マフラーに顔をうづめてかへる子の髪かきやれば冬のにほひす
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地下倉庫ジャミロクワイになりきって 踊っているのをキミに見つかる
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掃除すも 埃積もりし 部屋の隅 吾の心にも 同じ隅あり
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ほんのりと赤に照れるや内気なる陽射し薄くも南天の映え
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肌寒き頃、12月夜半の刻、 旅立つ貴女、サヨナラ、の言葉残さず。
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スーパーの 音声レジは食い気味に あれしろこれしろ 吾慌てさす
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ケイタイの上においたレモンティー黄色く照らす寒い五時半
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新生姜 君が作りしシロップに 身も心ろも ポカポカになる 
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思案のあと机の周りをかたづけて気分あらたにパソコンをON!
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おぼろげな輪郭たどる若き日の 消えなば我は我でもあらずや
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鍋のあとほろ酔いのキミ窓を開け 小雪を見ながら酔いを覚ます
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カセットテープからCDにダビングをしてもらったらあゝ演歌歌手
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朝6時半に電話は病院の「来て下さい」でエレジーだった
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こけるのは じゅうごねんぶり ちゃりんこで あんときゃ雪で きょうは押しこぎ \ ニット帽でセール
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帰るなりチョコをむさぼりあちこちでこぼしあふれる寝不足のゆび
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憂鬱な冬の正午はフレーバー・ティーの織りなす世界へ逃げろ
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一人には広い机の埋め方を忘れて焦げたトーストを噛む
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遠くから 夜に車で 来てくれて 食事後送迎 勘違いしちゃう…(から辞めて)
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糖尿をやめたいまたも初恋をしたからビール我慢できない
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クソ真面目それを恥じるな初老なり我が身誇れる瞬間が来る(息子へ)
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いいとこに 勤める彼に 振られてね より有名なとこ 絶対入る!
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レコードにならない作詞家だったと初恋してはエレジーばかり
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原宿の竹の子族を不良だと?あんな真面目な子達はいない
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あの時代考えられぬ事だった気軽にタトゥー、飲酒、薬物
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育んで巣立ちの時に何思う親鳥たちの別れの強さ
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久しぶり!の 男のLINEは 気をつけて  信じちゃダメよ 下心なの
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もういらぬ内緒のスマホ鳴ったので妻は見せてと過去だったのに
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都合よく好きな人だけ集まった人生なんて作り得るのか
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過ぎたことらしい そんなあ ミュウツーがせんとうふのうになるときの味
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