無気力と いえど食欲 有り余り
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冬季うつ 怠けてるのと 違うのよ
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体調は 悪くはないが 無気力で
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お風呂には 三日入らぬ 冬の常
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「隠れんぼするぞ」と弟呼ぶ声が不意に立ち行く日曜の書店
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ママ友に我が子の優しさ知らされて 嬉しさいっぱい知らなくてごめん
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「ね」「ねね」「ねねね」「ねねねねー」使い分けをする秋田県民(月曜から夜ふかしの動画で見てね)
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穏やかに晴れわたる空 今日のよな天気よ年中続いておくれ
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冬を告ぐ風と語らうすすき野に抱かれうずむ白きいしぶみ
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火の消えた後父親想いの私が本当の親より強く
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生きていくために必要不可欠なものを買うため仕事する家畜
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どんなにか時代に虐げられてなお生きねばならぬと買う必需品
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この蒼はあまりに高く 吸い上げて微笑みながら落つる涙も
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氷河期を見捨てた世代の孫が今氷河期世代を叩き始めた
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受付の仮の机で待つ人の かみのつむじに年輪を見る
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谷川の俊太郎さん縁はなし なぜか知らぬが感性合わず
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君に咲く 紫陽花にそっと口付けて サラと風吹く 静寂の中
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口付けはプリンに似ている 柔らかくて甘くて 口の中で トロける
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口付けを 交わす時間に永遠を 感じあう時 刹那に過ぎゆく
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また一歩 胸は高鳴り心は踊り 君に近づく 坂道を行く
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「何周目ですか」「あと一周です」「では」毎週すれ違うひととテレパシーで会話する
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寒ければ 厚着で出かけ汗をかき 寒くてもそのまま薄着 風邪を引く
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人ん家の花を摘み取る母親の 庭にぽっとの苗を買い足す
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時は来たさぁ飛び立とう羽田から朝日を浴びて琉球國へ
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仏具屋に 若者見ざる 秋の暮れ 神仏はなきか かの者たちは
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千秋楽 贔屓の力士の星のびず モチベ下がって師走を迎え
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晩秋の 寺町歩む 洗礼者クリスチャン 仏具屋並び 異界感ずる
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色褪せた木々と青空がこんなにマッチするとは思わなかった若い頃
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昭和帝激動の御代映し出す菊の御紋の純金貨幣
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信号が点滅したら走り出すそれほど会いたい早くあいたい
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