おにぎりをラップに包み わからない 「恋って河川敷のようだね」
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わたしだけ無骨なコート きみたちの何も守られていないコート
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「今日降るよ」 愛してくれた人はもういなくて傘を玄関に出す
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裏山の開かずの扉は血に染まり 次の食事を、人を待ってる/お題「地下」
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母音のみからなるきみの名を呼べばあかるき風のふくここちする
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ビル街の 強風小さき苦行なり 花屋のトナカイ 毛糸の帽子
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静謐せいひつの水面の小鴨潜り初む波紋のひろがる水輪の五輪
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富士山🗻のパワーに圧倒され、絵も描けず、素晴らしかった
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お月さん、競争しやう。お日さんに見つかる前に床に就くのよ
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ネットで得しパソコンの設定条件を順次ためして迂遠をゆかむ(医師脳)
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晩秋の 人肌恋しい夕暮れに 冬の使者たる 白鳥が翔ぶ 
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始発ラス前、いつも安全に、また社内の皆さま共々いつもお世話なりました
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言霊のさきわふ国に生まれしを 誇れ 寿ことほげ 伸びよ若松
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吹きすさぶ風強かれど 冬野菜 大地に根を張り じっと春待つ
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冬どりのタマネギ甘み格別のように英明さあ食べてみて
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ボツだっていいじゃないかと投稿を続ける暇な病室ひとり
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おかあちゃん よなか夜中おきだし おちゃをのむ ちま猫ちゃんも つきあったげる(おみずで)
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原付きをラッタッタと呼ぶ母が言う 電動アシスト自転車にすれば
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姉様の「ゆっくり休め」がうれしくて ほんわかし過ぎて また3時お茶カモミール
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胸にき 頬寄せ かき撫で包みこむ 我がに誓ふ来世もきっと
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寒いからいつもより少し近くなる冬の夜道のタンデムシート
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ポケットに砕けた熱で錆びた午後氷になって跳ねる五芒星
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まるまった 猫ひとまわり 大きくて いつのまにやら ふわふわ冬毛
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大鍋で煮ては冷まして旨くなるおでん今ではふたりの小鍋
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桜と涙 放物線を描く 僕たちは踏切で分けられた
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ひざ合わせそばにいるよと伝えても ホントの熱は伝わらなくて 
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「君の目はダイヤモンドだ」ふたりとも、血に濡れたまま、言うにはかるい/海に眠るダイヤモンド
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同じもの揃えて待つよ。あの時の机と椅子と、ビールとこころ。
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悲しみの丘にあなたをさがすとき動かぬ雲に引き鉄をひく
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削られて落ちたかつお節が踊ってる、削れた心も踊るのかしら
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