どこまでもでっかい月が追いかけてくるんだ母さん、兎もいるよ
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「ん、これかあ」とアムロ取説見とりせつみ(ガンダムかるた・ん 締め漏れ)
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堂々たる 王様みたいな 月の下 たくさんの虫の 声はさまざま
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「戦争をしてるようだ」と義父が云う隣町でも花火大会
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セルフレジ いまだ馴れずに 有人の レジありがたや 胸なでおろす
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ブロックして 解除したよ きみのこと もう関わんないで おねがいねー
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月は秋 時を得たりと啼く虫の 声聴く吾は無常に惑ふ
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熱帯夜リモコン片手に微睡んで 鮮やかな色の魚と泳ぐ
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真っ暗な夜空を蒸して更に焼く 夏は異次元 火薬の匂い
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岩山や 我が人生の見えるなり求めてやまぬ一本の草
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超舌におっとあっとと舌を巻き垣間見るなり神経伝達
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地球人ほしびとよ心得てるわ私とは踊りたくなどなかったのよね
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浴衣着て花火大会ひとり着る浴衣着崩れ気もそぞろなり
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何度目の夏が過ぎても一ミリも忘れてないよ ずっと生傷
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クーラーやファンをこれほど長時間付けっぱなしの夏は初めて
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新盆に回転式の提灯われ灯す君ぽつり言うスナックみたい
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恋愛も花火みたいに音がして終わればきっと諦めもつく
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他人の欲望に身を委ね抱かるる君吾知る君にあらず
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枠内にハマらなければ外されて 椅子取りゲームみたいな教育
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サヨナラ告げたサイトの君ワンクリックであらわる誰へ向けた笑顔
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娘なく姉妹あねいもうともいない我 無い物ねだり今でも続く
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偏頭痛気圧の加減的確に予報よりも早めにキャッチ
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お供えの羊羹下げて頂いて祖父母の笑顔が思い出される
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ふんわりと梅のかおる お茶淹れる 「相棒」の相棒おともは紅茶にかぎる
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人の波深い瞳で見つめてる君の心に触れられぬ僕
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君が死ぬだけで世界は回るのに人類最後の人になるとは
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共に観た花火の夜の夏の夢君の笑顔が打ち上がる闇
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悪しき風邪ぶり返すごと 再びの猛暑厳しき 涼知りし身に
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モテ期とは三度くるらし それならば老人ホームのマドンナになろう  /まだモテ期が来ない
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炎天に高校野球湧き上がるこれぞまさしく日本の姿
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