未開封みかいふう 使つかわなかった ダンボール そのまま次の ひっこし先へ
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きらっきらスターマインもいいけれど線香花火ドラマあるよね
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普通ってどこまで余白があるのかな 私はそれを外れただろうか
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頑張れと口癖なのか言うけれど欲しい言葉はそれじゃないんだ
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な忘れめ 河向かわむこうから呼ぶ君は十七としちのままに くび
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黒猫は きんいろおめめも かわいいね 黒猫感謝の日であるらしい
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香港のカフェで出会った青年ら忘れ得ぬまま半世紀過ぐ (ハイセンスな大学生だった)
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じいちゃんの電波時計が壊れてるせっかくだからいいの買おうか
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ずるずると 関係続けて 今になる 明日切ろうか 小指の糸を
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ふるさとの長く思えた通学路今日歩いたら短く思えり
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観客の拍手の音は楽屋から漏れ出す怒号をのみこんでいく
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いつからか辛味からみ苦手が味覚まで衰えてきてグルメ返上
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触れないでいれば在るかも分からないはずだからもう返事はしない
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空蝉にあつまる蟻を見下ろしたわたしはかてを待つだけの雛
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どんな子も自由に生きられる家の床束ゆかづかになる覚悟ができた
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炎天の夕焼けを負ふ入道はつめたい風を平野におろす
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夕立と ぬくい水道 外気温 居残る夏の 情熱いかに 
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押し流すカートのなかの命綱逢魔時おうまがときに回遊魚満つ
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まだ暑い お散歩期待愛犬にキュルキュルおめめで見つめられて
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バーベキューお庭でするの夢でした ついに叶った心願成就
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診察日袖からのぞく入れ墨に 誰が病んでもおかしくない時代いま
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戻り来た海ぼうず入道雲らよ帰り去れ ぐりとぐら棲む山の向こうへ(海水浴・懐古)
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扇風機前には必ず現れる 宇宙人は今も昔も  /ワレワレハウチュウジンダ
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青空に 浮かんだ白い 雲がまた 大きくなって 雷雲となる
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お盆すぎ夏も終わりが近いかと思えば空に入道雲が/まだまだ夏!
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月曜日 遥か遠くの日曜日 火・水・木・金 さあ土曜日だ!
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橙のロールカーテン越しの日が 眠気を誘う エアコン涼し 
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7号過ぎ何もなかったふりをするとてつもなく青い青い空
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ぼくたちの終着点をPとする 毎秒5センチメートル動く
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年を経て妻と同じき病得る 気づき気遣う日々の重なる
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