記録的猛暑とのろのろ台風に翻弄されて八月終わる
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ひたすらに漕いで隣の町来れど駐輪場無し行く宛もなし
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手のひらにアンモナイトは転がりて 億年の月日あまりに軽く /軽い≒重さ≒簡単に見つかった
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台風でキャンセル続きアラカルト営業に変更する夜
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つい、たまに、ふとした時に湧いて出る 「世の中全員死ねばいいのに」
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エイリアン平安京に名古屋撃ち百円の山みるみる消えて
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世界には貴方と私しかいないみたいだ月も満ちていないし
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初めての音が未来に谺響する今までもこれからも大好き
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本日で一年の四分の三が終わりましたどうしたものか
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ソレジャナイ!煮詰まるとか言う そうじゃない! 穿った見方も ソレジャナイ!
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網戸してエアコンつけず寝る夜は 救急車の音幾度も聞こゆ
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星々を集めて作った回転木馬 月にて静かに営業中
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起きがけにLes moulins de mon cœurの一節歌ったら重音できた
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種々くさぐさの虫の音色を聞き分けて秋の夢の中で覚めたり
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同窓会どうして君は来なかった 話したかったあの日のデート
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あの頃は休日充実してたよな 笑顔の写真 部屋で見返し
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6歳の君が奏でるソナチネの振りかぶりたるフォルティシモのファ
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いつのまにか ねこがくわえてきた ぼーる 床に見つけて ちょっとホッコリ
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課題曲テンポは105喩えれば デートの前の胸の高鳴り
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憐れみの 心を持てば なんのその 屈辱だって 迫害だって
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老人は 暗い夜道の 運転は しないでおこう 長生きのため
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虫たちが 雨が止んだら 騒ぎ出す 短い命 燃え尽きるまで
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豪雨だと 怯えさせては 帰らせる 雨が上がりて 空は夕焼け
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弱いから 神を信じる わけじゃない 純粋なんだ この世と違う
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君だけで 僕の世界は廻ってて だからこの世は 生きづらいのだ
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疑えば 絶望するし 信じれば 裏切られると 臆病になる
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今日は飲まぬ そう思い決めた傍らで ストレスストレスストレス 飲みたい
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老犬キミはもう聞こえてないのね雷が 逃げ回ってたあの頃懐かし
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なぜいかん藁を焼いてはなぜいかん あの煙こそ秋の香なのに
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バッハ639 落ちぶれ感から我救う 惑星ソラリス深夜に観た頃
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