恙無つつがなく稲穂は実る収穫とりいれと呼べるもの無き我が身の前に
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‪幸せよ、上滑りする言葉でも実感は無くとも繰り返せ‬
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ぬばたまのくろく靡けるその髪を織らばや千千のよるのとばりに
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もうやめた 他人ひとの顔色 見る事は 私は私 あなたじゃないの
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振り出しに戻るのマスに父の字で「戻れる場所がまだあるのなら」
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風に乗り 雨に吹かれて 越えてゆけ 今日いた場所を 惜しめど進め
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‪いつまでもアリスのような気がしてたけれどわたしは三月ウサギ‬
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玉の緒のいのちみじかく桜葉の舞ひちる秋となりにけるかな
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とうにこの世を去った友人の誕生日です、とFacebookが
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‪オバサンを通り越してばよからましおばあちゃんこそなほらうたけれ‬
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22の頃から何が変わったか脳にもしわが増えただろうか‬
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跳ね起きたほんのお気持ち百円で 眷属達のおののき支払う
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好きな色とあなたの色は違うけど好きなあなたを身に纏いたい
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‪普段なら買わないたかい飴を買うこれはねじつはおくすりだから‬
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満足は小さなところにあるみたい栗ご飯の旨さと甘さ
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‪罰ゲームのようにじっと立っているきっとわたしはマネキンになる‬
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どこまでも信号機しかない夜に波紋としての雨は降ります
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楽しきは 早瀬に湧きし 泡沫うたかたと 知りて微塵も 惜しむ時なし
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寒き雨 降りしきりたる 独り夜に 君を想いて 我が身抱かん
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‪拗らせど虎にもなれぬその訳は我が身可愛さただひとつだけ‬
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しらたまの耳やはらかきをとめごのピアスのあなをうがつもくろみ
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見えないよ明日も昨日も見えないよ そう思いつつもいつもの人生
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夕焼けが落っこちてきた頂上の観覧車から世界が終わる
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淹れていただく珈琲は懐にじわり香ばしゆるりと甘い
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子の寝顔見つつおもへり子をすてて世をのがれにし釈迦牟尼のこと
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葉を染めて暮れ行く光の柔らかさ窓枠の端にそっと降り積む
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美しき一羽の鳥になれたなら悲しみを歌にできただろうか
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白々と眺め合う目々やがて秋 透明な空の色になるかも
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‪さっきまで笑い合えてたはずなのにげに恐ろしきカミングアウト‬
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四年目の僕らに訪れた無音Bluetoothが途切れ知る距離
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