おさしみにやまほどわさびのせてたべ なみだながしてさみしさわすれ
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午前中別の日として置いといて 午後の昼寝で歌を忘れる
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夕暮れにひとりブランコ漕ぐ俺に ご飯よと呼ぶ母の影なし
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知っているここを曲がって左だろ? 知らない景色ラブホテル街
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どうしてもまわりの理解得られない そんなふたりの革命前夜
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彼氏いる?いやそんなこと知ってたし 友達として誘ったんだし
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美容師がくしゃくしゃっとした髪を ぐしゃぐしゃっとして帰る
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バケットをトレーに乗せてレジに行く 焼き立てが出る裏切りに合う
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カロリーが2分の1のマヨネーズ 理論的には倍かけられる
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ご利用は計画的にのCMを 3度見てからパチンコに行く
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メフィストずる爺「落陽」のあのじいさん夢破れた兵隊も あの頃の児の記憶に棲みて
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ほど寒き雨香る夜のしじまにも 走る人あり語る人あり
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日暮れどき 氷雨にけぶる赤尾灯 魔に逢わず着け温き寝床へ
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同じとき 景色はかくも異なるか 七月の五時 十月の五時
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僕むかし 忘れてないか 何のこと 記憶喪失きおくそうしつ キャラ設定 (にじさんじの叶君を思い浮かべて考えたのだ)
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トイレットペーパーひとつと引き換えの命の散る日 初雪予報
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高原の 秋はせわしく 冬支度ふゆじたく 「また見に来て」と 手を振る すすき
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若くして要介護なる友の眼は赤子の如く澄みて二年ふたとせ
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瘡蓋かさぶたを剥がす そこには はじめから 何も無かったと言い張る為に
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感性は死んだよ良い奴だったけど 鈍った挙げ句に手首を切って
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少しだけ夏が恋しくなっている十月終わりの寒い雨降り
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「寒いね」と言えど返事は来なかった そういや君はいないんだっけ
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起こした責任をとってくれ満月 今夜はお前を抱いて寝る
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今に誘われてくれ 過去に攫われてくれ 優しくない人たちよ
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すみません 背骨のねじれた男性に似合うスカーフ置いてませんか
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秋霖に固き地盤の悪の花根腐れ朽ちて野の草潤う
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寝る前にハンドクリーム塗りたくてきみに小指を吸われるのを待つ
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階段で 足の置き場をまちがえて 転がり落ちる 世界が回る
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一日に十個も食べてはいけません 親は宇宙の法則だった
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詩の秘密をさぐらんとして朔太郎 その都市てきな青さのうちに
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