飄々ひょうひょうと 街を温める 深緑しんりょくよ ただにわか雨の 色にも染まらず
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ないことはあることだって言うきみの硝子管からあふれるひかり
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夜に目覚め ふと窓開ければ 手遅れの 優しいあの子を 抱いた気分だ
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梅雨つゆ来たる 前に家から 飛び出して 朝一番の 教室を嗅ぐ
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今日一番ツイていたこと布団から無くしたリップが見つかった事
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熱血な教官というトラウマも怖い物見たさかPjが憑く
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屋根を打つ雨垂れの音ききながらボーっと夢を考えてみる
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アパートの屋根打ちつける雨音が誰かのノックであればよいのに
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今夜から明日の朝は冷えるようしまった毛布を引っ張り出そうか
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寒いから 暖かいので あり、ずっと 暖かいのは 暑いってこと
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占いを 見て感ずる 我が未来 闇夜の中で 綱渡るごとし
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玉葱の収穫ついでにじゃがいもを一株掘った上々の出来
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本棚で静かに眠る桃太郎 むかしむかしと語り始める
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見てられぬ大人同士の口喧嘩 オブラートだけは忘れるなかれ
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ちま猫の シッポぴーんの 背中なで ますますシッポは ゴキゲンぴーん😸
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断末魔 或いは私のしぼかす ネットに埋もれていつか化石に
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湯を誘う 言葉の継ぎ目 さがしてる ふたりの宿に 月が寄り添う
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回る口、必要以上の自己開示 顔だけが熱い今日もしんどい
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遥かへと伸びゆく木々の遊歩道死を思い居て申し分なし
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花の期を終えつつにあるチューリップ友とはぐれて一人吟行
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花園に何種の色の並びしか驚く声も外つ国交じり
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整然と色ごとに立つチューリップ各々高さを違えぬように
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耳馴れぬ言葉たびたび聞こえきてチューリップ園に笑顔が満ちる
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「腹立つわ あなたは何にも知らないくせに」三日もすれば忘れられるか
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古絵本過ぎし年月いとおしく繕ったなら我も癒され
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目ん玉が こんな大事と 知らなんだ どうかなんとか 視界を保ち
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レーザーで 白目黒目の 境界を ぐるり一周 80秒で
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漠然と 他人に言われて するでなく 良かれと思い どんどん動け
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ほとんどが 言われた通り あくせくと 働くだけの 人工知能
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植物が 成長すれば 嬉しくて 人間嫌い 拍車がかかる
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