新しい朝が来たとてそんなには希望湧かぬよラジオ体操
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第二さえ覚えられずにその上に三まであるとかラジオ体操/第二の音楽の変調が苦手
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霜月に 進路考え 未来へと 捨て難いのは 私公併願
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穴だらけのビンゴカードとダブルリーチ まるで私の人生みたいに
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現実を 見ないふりして 見てみると ヤバすぎヤバし 言葉も出ない
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好きだから 好きになったから 世界が とてつもなく輝いているの
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空耳を嗅ぎ分け見つけた甘い夢一晩経てば包まれていく
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何ゆえにイガイガ尖る栗の実よ外界そんなに恐ろしいのか
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他人言ひとごとを繁み事痛こちたふところに新調の刃ひとつ収めむ
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われのみや人であらざる心地してゆゑもなかるに笑ひころげみる
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忍ぶ風やり残してきた事柄が重なる季節を偲びて浴びる
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わけもなく火遊びをせしわが後ろに警備員立ち微笑まずゐる
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最新の検索履歴「人の殺し方」 【急募】そんな私を許す方法
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密林でさえずりつづける鳥のよう 不思議な言語の異国の女性ら(電車内)
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等距離の外交難し老人会あちらを立てればこちらは寝込み
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最良を越えた先にて待っている やわらかさに手招かれて、冬
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髪の毛の量がだんだん減ってゆくされど変わらじ散髪料金/逆に最近値上がりした
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一括が好きな人種ね「誰も」とか「みんな」とかいうお手軽ワード 
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十数年 紡いだねぐらをあとにする 死に場所を 思い出ここにしたくない
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烏瓜みのる季節は何かなしにじゃの出でむ野にひとり入りにける
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マッコリを飲んでみたいの おおむかし 飲んだけど味をすっかり忘れた
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Utakataの知人が近くに旅の途の湘南の風に今つつまれて \ お気をつけて 
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ケーキ買いドライアイスの量訊かれ帰りの時間の二倍を言う
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まごころを込めた老女の灯火ともしびは風にも消えず夜どおし燃える/貧者の一灯
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寂しさをラジオメッセージに込めたけど浅ましくってそっと消す
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歩きつかれ 夢中に寄りそう 人のいて 無理きかぬ脚と そっとなで説く
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紛らわし緑色したパッケージオリーブではなくブレンドオイルだ
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帰りたいって気持ち、心込めて空中にパンチする昼休み
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さっきまで舌鼓打ち食べていた魚の骨がノドで逆襲
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ひとりではさみしかろうと憑いてきた 保護者みたいに優しいおばけ
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